古代蓮の里(こだいはすのさと)は、埼玉県行田市にある公園を兼ねる施設である。
概要
ふるさと創生事業 の一環とし[2]、行田市の天然記念物であり市の花である「古代蓮(行田蓮)」をシンボルとする公園。
古代蓮は、公共施設(小針クリーンセンター)建設工事の際に蓮の種子が掘削地の池で自然発芽し、1973年(昭和48年)に開花したものである。出土した地層の遺物や木片の放射性炭素年代測定から約1400年から3000年前のものと推定されたため[2]、古代蓮と呼ばれるようになった(ただし、種子を直接測定したものではなく、ずっと新しい時代の種子が発芽した可能性も否定できない。なお、現在[いつ?]種子を直接測定した最も古い古代蓮は、中国の約1,300年前のものである[要出典])。
古代蓮の里は、その古代蓮の自生する付近(旧小針沼)に「古代蓮の里」として1992年(平成4年)から2000年(平成12年)にかけて整備された(公園の開園は1995年(平成7年)[2])。2001年(平成13年)4月22日には、園内に「古代蓮会館」が開館した。
「古代蓮会館」には高さ50 mの展望タワーがあり、2023年(令和5年)公開の映画『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』に「行田タワー」として登場し話題になったことなどを受け、知名度向上に役立てるため、行田市は2024年(令和6年)に正式に「行田タワー」と命名することを決めた[3]。同年6月には全日本タワー協議会に加入している。
田んぼアート事業
2008年度より、「田んぼアート米づくり体験事業推進協議会」を設立し、古代蓮の里の東側に隣接する水田(約2.8 ha)で「田んぼアート事業」に取り組んでいる[4]。年度によっては複数個所田んぼアートが制作される場合がある。この田んぼアートは古代蓮会館の展望タワーよりその全貌を望むことができる。
使用されている稲は2017年現在では背景部分を占める緑の「彩のかがやき」をはじめ、白い部分の「ゆきあそび」、赤い部分の「べにあそび」、オレンジ色の部分の「あかねあそび」、黒の「むらさき905」など9種類の稲が使用されている[5]。稲の生長と共に絵が次第に黄金色に変化し、10月頃には背景部分が刈り取られてレリーフ調となる。2015年9月8日にギネス世界記録の認定を受けた[6]。ギネス世界記録認定後は行田市の知名度が向上し、この月の来場者は前年の4倍以上となった[6]。
2017年度は10周年を記念し、新たに南側の隣接する水田(約1.0 ha)にも田んぼアートが描かれている[7][8]。
また、冬場は田んぼアートの稲わらを使用した日本最大級の「わらアート」も2014年度より敷地内で実施されている[9][10]。
作品テーマ
2010年(平成22年) - 2012年(平成24年)の「のぼうの城」関係、および 2021年(令和3年)と2024年(令和6年)の作品を除き、絵柄には市の花の「行田蓮」があしらわれている。基本的に東会場で開催されるが、2017年より南会場が設定され、こちらは不定期で開催されている。こちらの絵柄には「行田蓮」があしらわれていない。
- 2008年(平成20年) - 『行田ハス』[11]
- 事業開始初年度は約20 a(0.2 ha)の面積でスタートした[12]。市の花である「行田蓮」の花を、田んぼの1区画に幅50 mに満たないスペースで描いた[5]。
- 2009年(平成21年) - 『市制60周年』
- 約60 a(0.6 ha)の面積に拡張された[13]。昨年に引き続き、市の花の「行田蓮」をモチーフとした。「古代ハスの里」の文字も入れられたが、ハッキリと浮かび上がらなかった。
- 2010年(平成22年) - 『のぼうの城』
- 約130 a(1.3 ha)の面積に拡張された。オノ・ナツメ作画の小説「のぼうの城」のブックカバーの絵の「成田長親(のぼう様)」とそのタイトル、および忍城をモチーフとした。同名の映画のPRも兼ねていた。なお、忍城の絵の方は公募により採用されたものである[14]。
- 2011年(平成23年) - 『のぼうの城』
- 約2.8 haの面積に拡張[12]され、この年以降はこの大きさで制作されている。昨年に引き続きオノ・ナツメ作画の「成田長親」と「石田三成」(横顔のみ)を対峙するように描いた。東日本大震災をうけて、急遽、「がんばろう 日本」の文字が入れられた[15]。ギネスの申請を検討したが、絵柄の割合が38 %と基準の40 %に満たなかったため、申請を断念した。
- 2012年(平成24年) - 『のぼうの城』
- 昨年に引き続き「成田長親」と「石田三成」の絵に加え、忍城と丸墓山を描いた。絵柄の割合が50 %強に引き上げられたものの、ギネスの申請基準がこの年変更され、背景の割合が40 %以下(絵柄の割合が60 %以上)となったため、申請を断念した[15]。
- 2013年(平成25年) - 『古代蓮の精』
- 絵柄の割合が73.2 %に引き上げられた。行田蓮の上に立つ羽衣を着た女性を描いた。ギネスに初申請したが8月1日の審査の結果、生育不良の理由により認定とはならなかった[12]。
- 2014年(平成26年) - 『古(いにしえ)の行田』
- 稲荷山古墳を背景に金錯銘鉄剣を掲げる古人や酒巻14号墳出土埴輪(重要文化財)を描いた。大雨により田んぼが被害を受けたため、ギネスの申請を断念した[15]。
- 2015年(平成27年) - 『未来へつなぐ古(いにしえ)の軌跡』
- ギネス世界記録に認定[15][16]。宇宙遊泳する子どもたちやはやぶさ2がアニメ調に表現されている。
- わらアート
田んぼアートの終了後、その稲わらを利用してわらアートが制作され、古代蓮会館の南側の敷地にて翌年3月末頃まで展示される。大きい方のわらアートはその中に入ることができる。2017年の「ヤマタノオロチ」を最後に終了し、2018年以降は「古代蓮の里イルミネーション」と称したイルミネーションが実施されている。
施設
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営業日
- 公園および駐車場 - 休業日無し
- 古代蓮会館・売店・うどん店
- 月曜日(祝日の場合は営業)
- 祝日の翌日(土・日曜日の場合は営業)
- 年末年始
- 蓮の開花期(6月下旬 - 8月上旬)は無休で営業
所在地
交通
- JR高崎線行田駅より行田市内循環バス「観光拠点循環コース」に乗車(所要約19分)、「古代蓮の里」下車すぐ。
- 秩父鉄道行田市駅より行田市内循環バス「東循環コース(そよかぜ号)」に乗車(所要約30分)、「古代蓮の里」下車すぐ。
- 行田市内循環バスの運賃はいずれも乗車1回150円[25]
- 蓮開花期間中は行田駅よりシャトルバスを運行(大人200円、子供100円)。
周辺
その他
脚注
関連項目
外部リンク