南下沼駅(みなみしもぬまえき)は、北海道(留萌支庁)天塩郡幌延町字下沼にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)宗谷本線の駅(廃駅)である。電報略号はミシ。利用者僅少に伴い2006年(平成18年)3月18日に廃駅となった[1]。
歴史
駅構造
廃止時点で、単式ホーム1面1線を有する地上駅であった。ホームは線路の南西側(稚内方面に向かって左手側)に存在した[5]。分岐器を持たない棒線駅となっていた[5]。
仮乗降場に出自を持つ無人駅となっており、駅舎は無いがホーム出入口附近に待合所を有していた[5]。待合所はトタン張りの建物であった[5]。ホームは木造で稚内方(西側)にスロープを有し[5]駅施設外に連絡していた。
いわゆる秘境駅のひとつに数えられていた[6]。
駅名の由来
当駅の所在する地「下沼」の南に位置していたため「南」を冠していた[7]。
利用状況
かつては隣駅の下沼駅から当駅そばの小中学校(ともに1982(昭和57)年3月閉校)への通学に使用された[8]。
- 1992年度(平成4年度)の1日乗降客数は0人[5]。
駅周辺
南下沼駅の上り方(名寄方面)には、かつてトンネルが存在した。当時、そのトンネルを列車が通過する際に「男女の幽霊が出没し、ヒソヒソ話の声がする」といった、石北本線の常紋トンネルと類似する風説が広まり、世間の間で恐れられたためにトンネルが切通し化された[9]。また、その近くには見張り所が存在し、1955年(昭和30年)頃にはトンネルの切通しの法面改良試験工事の飯場が建てられた。そこで人夫として勤務していた夫婦が悲惨な最期を遂げたらしく、その怨みからか夜間になると「下駄の足音が聞こえる」「見張り所の戸を叩く音がし、女性の幽霊が出没した」という[10]。
現在は、南下沼駅付近の203キロポスト地点付近(切通しの西側)に地蔵尊が祀られている。
隣の駅
- 北海道旅客鉄道
- 宗谷本線
- 幌延駅 - 南下沼駅 - 下沼駅
脚注
関連項目