前野 霜一郎(まえの そういちろう、本名:前野 光保、1946年6月21日 - 1976年3月23日)は、日本の俳優。
児玉誉士夫邸セスナ機特攻事件を起こしたことで知られる。
来歴・人物
東京都渋谷区笹塚の布団屋に生まれる[1]。父親は幼い頃からスターを夢見ていた一人息子を溺愛し、児童劇団や俳優養成所に通わせた[2]。1959年(昭和34年)劇団ひまわりに入団、1962年(昭和37年)の『目をつぶって突走れ』で映画初出演する[3]。1967年(昭和42年)にアメリカに留学し、カリフォルニア大学の演劇科で演技の勉強を行う[4]。父の援助で130万円をかけ飛行ライセンスを取得[2]。
帰国後は日活のニュー・アクション映画などに多く出演。1971年(昭和46年)に日活がロマンポルノの制作を開始すると、当時の同クラスの専属俳優が次々と去って行く中、残留し主力男優として作品に多数出演。
私生活では1967年に女優の黒沢のり子と結婚するが1970年に離婚[4]。1972年にアメリカ人女性と再婚するも1975年に再び離婚している[4]。
1976年(昭和51年)2月、新潟県のスキー場で自殺未遂事件を起こす[2]。同年3月23日、撮影用に借りていた[5]小型飛行機パイパー PA-28で、世田谷区等々力の児玉誉士夫邸に突入して死亡。29歳没。
出演作品
映画
- 日活ロマンポルノ
- 団地妻 昼下りの情事(1971年) - 畑中 役
- 色暦女浮世絵師(1971年) - 清太郎 役
- らしゃめんお万 彼岸花は散った(1972年) - 稲荷留吉 役
- おんな天国 子だね貰います(1972年) - アパッチ 役
- ふるさとポルノ記 津軽シコシコ節(1974年) - サンブ 役
- 赤線玉の井 ぬけられます(1974年) - 工員風の男 役
- 青春トルコ日記 処女すべり(1975年) - シロー 役
- 続・レスビアンの世界 -愛撫-(1975年) - 矢崎国夫 役
- 女高生100人 (秘)モーテル白書(1975年) - 順子の恋人 役
- ホステス情報 潮ふき三姉妹(1975年) - ケン立花 役
- 東京エマニエル夫人 個人授業(1975年) - 綿貫一郎 役
テレビドラマ
- 鉄道公安36号 第173話「石狩の鐘」(1966年、NET)
- 特別機動捜査隊
- 第287話「夕陽の町」(1967年、NET)
- 第295話「しのび逢い」(1967年、NET)
- 青空に叫ぼう(1967-1968年、NET)
- プレイガール 第200話「残酷猟奇な殺し屋」(1973年、東京12チャンネル) - 吉川
脚注
- ^ 『芸能人物事典 明治大正昭和』 日外アソシエーツ、1998年、523頁。
- ^ a b c 『我、自殺者の名において : 戦後昭和の一〇四人』若一光司 徳間書店 1990 p157-159
- ^ 『日本映画人名事典 男優篇・下巻』 キネマ旬報社、1996年、616頁。
- ^ a b c 赤塚行雄 『戦後欲望史 転換の七、八〇年代篇』 講談社文庫、1985年、135 - 136頁。
- ^ 別冊宝島 『昭和・平成 日本テロ事件史』 宝島社、2004年、79頁。
関連項目
外部リンク