株式会社八重洲ブックセンター(やえすブックセンター)は、首都圏を中心にチェーン展開する日本の書店である。鹿島建設グループ。
概要
鹿島建設社長・鹿島守之助の「どんな本でもすぐ手に入るような書店が欲しい」との遺志を受け継ぎ、赤坂へ移転した八重洲の同社旧本社跡地に世界一の売り場面積を持つ書店をつくろうと計画され[1]、当時流通する20万点の本を常備しようと構想(展示冊数は40万冊)は画期的なものであった。しかし、日本書店商業組合連合会(日書連)や書店組合の反対にあい、売り場面積を半分にして、1978年9月18日に日本最大の書店として開業した[2]。開店後1年間の入店者数は約1000万人、売れた本は約500万冊であった[3]。
あらゆる書籍を取り揃えるために通常の書店とは異なり買取仕入が主体で、120万冊ともいわれる膨大な在庫量を誇る。
首都圏にチェーン展開しており(以前は全国)、イトーヨーカドー等の商業施設にテナントとして出店している。
八重洲本店
八重洲本店が旗艦店舗であり、書店名および会社名の由来となっている。都内有数の大型書店であり、大型店の先駈けとなった。土地柄、ビジネスマンの利用が多いため、ビジネス書の在庫数は国内随一を誇り、ベストセラーはビジネス書が上位を占める。周辺のオフィスが休みとなる日曜日は、1990年代前半まで休業していた。
ビジネス書関連の講演会やサイン会などのイベントが頻繁に開催され、その他強みを持っているジャンルとしてパソコン関連、各種専門書、文芸書のほか、観光客が多く利用するため、旅行ガイドの在庫も多い。また近年は家族連れや外国人客も増加していた。そうした客層の変化に対応して、2016年に文芸書を1階から5階へ、2017年には旅行ガイドと雑誌を1階に移設した[1]。
本店ビル所在地などは、鹿島建設や住友不動産などが進める「八重洲二丁目中地区」の計画地にあたるため[4]、2023年2月に本部事務所を神田須田町に移転し[5]、本店も3月末で一時閉店した。跡地には2028年度の完成予定で43階建ての複合ビルが建てられるが、新本店は入居を予定する。その間は仮営業を目指すことになり[6][7]、2024年6月に東京駅構内のグランスタ八重洲に出店した[8]。
各種サービス
電子マネーのQUICPay・Edy・Suicaが使用可能である。ルミネ荻窪店は、駅ビルを運営するルミネが発行するルミネカードを提示した場合、サービスとして会計が割引される。
2016年10月にポイントカードを導入し、荻窪店と日本橋店を除き全店で使用可能である。
トーハンへの株式譲渡
2016年6月1日、トーハンが八重洲ブックセンターの親会社である鹿島建設グループから発行済株式の49%を譲受したと発表し、7月1日にトーハンの山崎厚男元会長が八重洲ブックセンターの社長に就任した。八重洲ブックセンターはトーハンが主導して業績を改善する[9][10]。
店舗
店舗一覧
閉店した店舗
休業中の店舗
脚注
注釈
- ^ 「閉店」と称しているが、同地に2028年に新築される大型商業施設に再出店する予定であるため、完全閉店ではなく、あくまで長期休業の扱い。
出典
参考文献
- 井尻千男『出版文化夢と現実』牧羊社、1984年7月。
関連項目
外部リンク