入舩徹男

入舩 徹男(いりふね てつお、1954年7月5日[1] - )は、日本の地球物理学者愛媛大学特別栄誉教授三重県出身。

略歴

業績

  • 超高圧実験による地球マントルや沈み込むプレートの構造と運動の解明。
  • オーストラリア国立大のリングウッド教授と、プレートが深さ670km付近で巨大な塊を形成するとする「メガリスモデル」を完成[2]。映画「日本沈没」(2006年)において、日本沈没のメカニズムとして採用される。
  • 完成直後の世界最大放射光実験施設スプリングエイトにおいて、全体で最初の研究成果を1998年に発表[3]
  • 超高圧合成技術を用いて、通常のダイヤモンドより硬い「ナノ多結晶ダイヤモンド」の合成に初めて成功[4]住友電工(株)との共同研究に基づき、2012年に同社より製品化された(同年日刊工業新聞十大新製品賞受賞)。
  • 2008年よりグローバルCOEプログラム愛媛大学「先進的実験と理論による地球深部物質学拠点」拠点リーダー、2011年より2014年まで国際高圧力学会 (AIRAPT) 会長、2017年より2019年まで日本高圧力学会会長。
  • 2013年より共同利用・共同研究拠点「先進超高圧科学研究拠点(PRIUS)」が文科省から認定、同拠点長就任。
  • 超高圧合成技術を用いて、透明で硬い「ナノ多結晶ガーネット」の合成に成功し[5]、「透明ナノセラミックス」の科学を開拓。

受賞・栄典

脚注

  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.395
  2. ^ A.E.Ringwood & T. Irifune, Nature 331, 131-136, 1988.
  3. ^ T. Irifune et al., Science 279, 1698-1700, 1998.
  4. ^ T. Irifune et al., Nature 421, 599-600, 2003.
  5. ^ Irifune, T.; Kawakami, K.; Arimoto, T.; Ohfuji, H.; Kunimoto, T.; Shinmei, T. (2016-12). “Pressure-induced nano-crystallization of silicate garnets from glass”. Nature Communications 7 (1). doi:10.1038/ncomms13753. ISSN 2041-1723. https://doi.org/10.1038/ncomms13753. 
  6. ^ 平成27年春の褒章伝達式”. 文部科学省. 2016年2月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月4日閲覧。
先代
谷口尚
日本高圧力学会会長
2017年 - 2019年
次代
長谷川正