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この項目では、光ファイバーによる有線通信について説明しています。
- 企業については「光通信 (企業)」をご覧ください。
- 視覚を用いた信号交換を含む光通信全般については「光による通信」をご覧ください。
- 可視光によるデータ通信については「可視光通信」をご覧ください。
- 不可視光を含む光全般によるデータ通信については「光無線通信」をご覧ください。
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光通信(ひかりつうしん)とは、伝送媒体に光ファイバーを利用した有線通信を行うことである。
特徴
これまで通信用に使われてきた電線(銅線)や電波による通信に比べ、以下の特徴がある。
- 傍受されにくく、通信の秘密保持が容易である。
- 電磁誘導ノイズの影響を受けない安定した通信が可能である。
- レーザー光を使用した場合、高速かつ長距離の伝送が可能である。
用途
- 音楽・ビデオ伝送用:プラスチックSI型光ケーブルとLEDを用いて、400Mbpsで10mの通信が可能で安価なもの。
- LAN伝送用:プラスチックGI型光ケーブルと半導体レーザーを用いて10Gbpsで100mの通信が可能で安価なもの。ガラスGI型光ケーブルと半導体レーザーを用いて10Gbpsで500mの通信が可能で比較的高価なもの。
- ノイズの多い工場などでの伝送用:光モデムとガラスGI型光ケーブルと半導体レーザーを利用した10Mbpsで1〜2kmの通信が可能なもの。
- 長距離回線:ガラスSM型光ケーブルと半導体レーザーを用いて、高速で信頼性の高い通信が可能な高価なもの。
日本での歴史
光通信の網構成
業務向け網の構成の変遷
PDHを利用したデジタル専用線が1980年代後半から使用されるようになった。
PDH--Och
SDHを利用した高速専用線やパケット通信が1990年代から使用されるようになった。
SONET--STS-0〜STS-192
SDH--STM1〜STM64
フレームリレーやATM交換網が1990年代後半から使用されるようになった。
FR Sw--SONET/SDH--Och
ATM Sw--SONET/SDH--Och
ATM Sw--Och
また、IP網間をATMで接続するIP over ATMも1990年代後半から使用されるようになった。
IP--ATM Sw--SONET/SDH--Och
IP--ATM Sw--Och
Multi-Protocol Label Switching対応のルーターを使用し、IPプロトコルでVirtual Private Networkを構成する方式が2000年から開始された。
IP--MPLS Router--SONET/SDH--Och--WDM
IP--MPLS Router--Och--WDM
LAN間をレイヤ2スイッチまたはレイヤ3スイッチで接続するVLANを使用した広域イーサネットが2001年からサービス開始された。
Ethernet--L2Sw--Och--WDM
IP--L3Sw--L2Sw--Och--WDM
Generalized Multi-Protocol Label Switchingを利用しIPを光スイッチで接続操作し、光ファイバーの波長分割多重(WDM)で伝送する方式が2007年頃の実用化を目指して実験中である。
IP--Ethernet--Och--OSw--WDM
ユーザ網(幹線網)向け網構成
通信系においては、主にユーザ向けに、常時・定額・高速のブロードバンドインターネット接続を実現する。
ユーザ宅向け網構成
光ケーブルの屋内配線(ラスト10メートル)としての導入方法により、数種類に分かれる。
ハイブリッド網構成
- DLC(Digital Loop Carrier):末端に電話線を用いる。ナローバンド接続。いわゆる光収容。
- HFC(Hybrid Fiber Coaxial):末端に同軸ケーブルを用いる。CATVで用いられる。
- PLC(Power Line Communications):末端に電灯線を用いる。
なお、FTTxもハイブリッド網構成の一種である。
ラストワンマイルにおける光通信
上述の網構成の他、公衆無線LANサービスや携帯電話やPHSサービスなどの移動体通信・無線アクセスの足回りとしても光通信回線が使われる。
脚注
関連項目