『信府統記』(しんぷとうき)は、信濃国(長野県)松本藩主の命によって編纂され、1724年(享保9年)12月に完成した、同藩内および信濃国内の地理・歴史を記述した書籍(地誌)である。
概要
当時の松本藩主・水野忠幹の命により、家臣で学究の武士であった鈴木重武と三井弘篤が著述・編集した。松本城の開基、町割から、安曇・筑摩両郡の地誌、社寺沿革、名所記、近国への道筋、方角道程、領地境などがまとめられているほか、信濃国七藩の城の歴史が略述されている。編纂は享保7年(1722年)に始められ、忠幹没後の次代・水野忠恒の代、享保9年(1724年)12月に完成した。全32巻である。
原本所在
原本と言える水野家本は、付録として家譜を含めていたと言われるが、所在不明である。
写本・復刻版
- 写本として、戸田家写本および朽木文庫本がある。
- 高美屋が1884年(明治17年)に木活字で刊行したものが最初の印刷・公刊である。
- 戸田家写本をもとにして信濃史料編纂会が「信濃史料叢書」巻2に収録して1913年に刊行した復刻版がある。
- 朽木文庫本をもとにして信濃史料刊行会が「新編信濃史料叢書」第5巻に収録して1973年に刊行した復刻版がある。
- 国書刊行会が、1996年に刊行した復刻版がある。高美屋本の復刻である。
古本価格
デジタルライブラリー
- 1884年(明治17年)刊行の、吟天社出版、高美甚左衛門(高美屋[1])発売の版。国立国会図書館所蔵。
脚注
- ^ 県立長野図書館(回答). “松本で最初に活版印刷による出版を行った出版社について知りたい。”. レファレンス協同データベース. 2023年1月24日閲覧。
関連項目
外部リンク