伊藤 龍郎(いとう たつろう、1936年(昭和11年)7月23日 - )は、日本の銀行家。あさひ銀行頭取を務めた。愛知県出身。
人物・来歴
印刷業を営む家庭に生まれる[1]。1959年名古屋大学経済学部卒業後、協和銀行入行。若かりし頃から将来の頭取候補として嘱望され、企画、人事など中枢部門を担い、2店の支店長も歴任した[2]。埼玉銀行との合併の際には、常務企画本部長を務め交渉の初期段階からかかわり、合併後には大蔵省との折衝も務めた[3]。あさひ銀行が発足後の3年目には、副頭取埼玉駐在として、自宅から通えないことはなかったが、あえて浦和市に居を定め行内融和を推進した[2]。
1997年に頭取に就任。トップ在任時には金融再編の時代に翻弄される中、難しい経営の舵取りを迫られた。2001年9月、迷走の末大和銀行との経営統合を決断。同年10月25日付で統合を決するまでに株価が急落したことや、2001年9月中間決算が赤字予想となったことを引責し退任。役員退職慰労金の受け取りも辞退した[4]。
経歴
脚注
- ^ 「伊藤龍郎氏・あさひ銀行 金融再編にも自然体で 」『朝日新聞』1997年5月7日
- ^ a b 「新社長 伊藤龍郎 あさひ銀行」『週刊ダイヤモンド』1997年8月9日号
- ^ 「新頭取に伊藤龍郎氏、会長に田中正氏 あさひ銀行」『朝日新聞』1997年4月16日
- ^ 「あさひ銀頭取、退職金返上へ 株価急落・赤字決算の責任はっきり」『朝日新聞』2001年10月25日
- ^ “あさひ銀、頭取に梁瀬専務/田中会長、伊藤頭取は退任”. 四国新聞社. (2001年10月25日). https://www.shikoku-np.co.jp/national/economy/20010925000392 2020年1月17日閲覧。