『仲直りはしたものの』(Matinee Mouse、1966年5月9日)は、「トムとジェリー」の作品のひとつ。
概要
本作では、ウィリアム・ハンナ、ジョセフ・バーベラによる「トムとジェリー」短編作品のシーンが多く用いられ、和解したトムとジェリーがこれら作品群を継ぎ合わせたカートゥーン映画を自ら鑑賞するという特殊なストーリーが展開される。
実際の監督はチャック・ジョーンズであるが、スタッフクレジットではハンナ=バーベラ名義とされている。新規描き下ろし部分のトム、ジェリーのデザインはハンナ=バーベラ期のものに似せて作られているが、過去作品パート部分の音響は新たに収録したものが使用されている。
作品内容
いつも通りトムとジェリーはドタバタを繰り広げていた(このシーンは過去のハンナ=バーベラ期の作品のワンシーンの流用)。
ある時、お互いに白旗を揚げて仲直りし彼らは映画館へ足を運ぶ。そこで上映されていたのは、自分達の今までの大喧嘩やドタバタの軌跡を追った映画作品『トムとジェリー』、現実世界のそれとまったく同じものであった。
トムとジェリーは仲良く「トムとジェリー」に見入る。しかし、お互いにやられているシーンで大笑い→仕返しを繰り返すうちに徐々に険悪なムードへ。映画館で二匹はまた大喧嘩を始めてしまう。その様子を「劇中」で喧嘩していたトム、ジェリー、スパイクが休戦し仲良く眺める、という皮肉なシーンで映画は幕を閉じる。
登場キャラクター
- トムとジェリー
- いつものように喧嘩をして一度は仲直りをしたものの、「トムとジェリー」の映画鑑賞をきっかけに結局再び喧嘩を始めてしまう。
- スパイク、魔女
- 映画のシーンに登場。スパイクはラストで喧嘩するトムとジェリーを映画の中のトムとジェリーと共に眺めており、ハンナ=バーベラ期のサブキャラクターで唯一新規の描き下ろしが存在する。
- カナリア
- 前半のドタバタ劇(『トム君空を飛ぶ』のパート)に登場。
- 映画館の係員
- 偶然にも客として来たトムとジェリーを目撃し、ポスターのトムとジェリーと同一人物と感づくが、ポスターの喧嘩している絵柄と違い仲良くしていたので人違いと見ていた。
使用された作品とそのシーン
前半のドタバタ劇
後半の劇中劇
- ここまでおいで(トムがスパイクの鼻に噛み付くシーン・寝ぼけて肉に誘われるスパイクをジェリーが止めるシーン)
- 空飛ぶほうき(トムが魔女の箒にまたがる~木の枝に首が引っ掛かるシーン・トムが箒に魔女の術をかけられ、痛めつけられるシーン)
- ジェリーの日記(トムがジェリーにパイをぶちまけ、ジェリーが首を傾げるシーン)
- 仲良し同盟(トム、ジェリー、スパイクが喧嘩をするシーン)
日本でのテレビ放映
TBS系列及び他系列で、1964年~1990年頃まで時折放映された。DVDにも収録。
関連事項