交響曲第3番(Symphony No.3, for Band)は、ヴィットリオ・ジャンニーニが作曲した吹奏楽のための交響曲。
楽曲
1958年、デューク大学吹奏楽団と指揮者のポール・ブライアン(Paul Bryan)の委嘱を受け、休暇を過ごしていたローマで作曲された。ジャンニーニの5曲の交響曲のなかで唯一吹奏楽のために書かれており、ゴールドマン・バンドのために作曲された「前奏曲とアレグロ」に続く2作目の吹奏楽曲である[1]。
ジャンニーニの作品のなかで特に演奏や録音の機会が多く、また吹奏楽の重要なレパートリーとして愛されている[2]。伝統的な4楽章構成で書かれた、標題的な要素をもたない交響曲であり、表情豊かな旋律、明快な和声、動機展開へのジャンニーニの興味が反映されている[1]。
楽器編成
構成
全4楽章からなり、演奏時間は25分程度。循環形式は用いられていないが、全曲を通して旋律に完全四度音程を好んで使っている[3]。
- 第1楽章 Allegro energico 2/2拍子、変ロ長調[4]、ソナタ形式。
- 第2楽章 Adagio 4/4拍子、変イ調、三部形式。
- 第3楽章 Allegretto 3/4拍子・6/8拍子、変ロ短調、二部形式(A-B-A-B')。
- 第4楽章 Allegro con brio 4/4拍子、変ロ長調、ソナタ形式。
注釈
- ^ a b Hermann, Joseph W. "Symphony no.3 - Vittorio Giannini" Teaching Music through Performance in Band, vol.1 (2nd ed.) GIA Publications, 2010. p.726.
- ^ note (PDF) for University of Houston Wind Ensemble, Tom Bennett "Giannini - Symphony No.3" (Walter Simmons, 2006). p.3.
- ^ Hermann, p.728.
- ^ 冒頭の第一主題はミクソリディア旋法で書かれている。また、全曲を通して調号は使われていない。Hermann, p.727.
外部リンク