万能指示薬(ばんのうしじやく)は酸塩基指示薬であり、溶液の酸性や塩基性、1〜14のpHに応じてはっきり呈色するいくつかの化合物の混合物である。市販されている万能指示薬も何種類かあるが、その多くは1933年に専売特許を受けた「山田の指示薬」から派生したものである[1]。山田の万能指示薬についての実験はJournal of Chemical Educationにも記載されている[2]。
現在はpH1〜14の一つずつに異なる色が割り当てられている万能pH試験紙も登場している。試験紙に呈された色と試験紙のロールの図の色を見比べ、溶液のpHを特定する。
典型的な万能指示薬は水、1-プロパノール、フェノールフタレインのナトリウム塩、水酸化カリウム、メチルレッド、ブロモチモールブルーの一ナトリウム塩、そしてチモールブルーの一ナトリウム塩[3]で作られる。指示薬の色は次のように呈される。
pHの範囲
|
水溶液の性質
|
色
|
〜3
|
強酸
|
赤
|
3-6
|
酸性
|
オレンジ色もしくは黄色
|
7
|
中性
|
緑
|
8-11
|
塩基
|
青
|
11〜
|
強塩基
|
紫
|
脚注
- ^ 日本国特許第99,664号、1933年2月21日
- ^ Foster, L. S.; Gruntfest, I. J. (1937). “Demonstration experiments using universal indicators”. Journal of Chemical Education 14 (6): 274. doi:10.1021/ed014p274.
- ^ "Universal Indicator Archived 2006年9月25日, at the Wayback Machine.". ISCID Encyclopedia of Science and Philosophy.
関連項目