七中記念館(ななちゅうきねんかん)は、愛知県半田市出口町一丁目30の愛知県立半田高等学校敷地内にある建築物。
愛知県の旧制中学校に現存する鉄筋コンクリート造の武道場としては最古の建造物である[3]。「旧愛知県半田中学校武道場(七中記念館)」の名称で登録有形文化財[2]。
歴史
竣工
1919年(大正8年)、愛知県立第七中学校(現・愛知県立半田高等学校)が開校した。1924年(大正13年)に武道場としてこの建物が建てられた[2]。設計は愛知県営繕課の足立武郎、施工は半田の土井組(土井新太郎)とされている[1]。
1950年(昭和25年)に改修工事が行われた[3]。
その後は柔道、剣道、卓球などに用いられていた[4]。2004年(平成16年)には耐震性に問題があることが判明し、備品倉庫に転用された[5]。
文化財としての保存
2018年(平成30年)には半田高等学校100周年記念事業として、卒業生らから寄付を募って改修工事が行われた[5]。10月21日に竣工式が行われ、卒業生の榊原定征日本経済団体連合会前会長なども出席した[5]。2022年(令和4年)6月29日、「旧愛知県半田中学校武道場(七中記念館)」の名称で登録有形文化財に登録された[2][6]。登録基準は「造形の規範となっているもの」[3]。なお、同時に愛知県立瑞陵高等学校感喜堂も登録されている。
愛知県における戦前の旧制中学校で、現存する鉄筋コンクリート造の武道場は、七中記念館に加えて、1926年(大正15年)竣工の愛知県岡崎師範学校武道場(現・愛知教育大学附属特別支援学校作業実習棟)、1928年(昭和3年)竣工の西尾中学校武道場(現・愛知県立西尾高等学校武道場)の3棟のみである[1]。いずれも基礎と壁のみに鉄筋コンクリートを用いる側鉄筋コンクリート造であり、屋根は半切妻造の桟瓦葺である[1]。
建築
脚注
- ^ a b c d e 瀬口哲夫『街の歴史建築を訪ねて 愛知・名古屋を彩った近代洋風建築』ぐんBOOKS、2022年、p.36
- ^ a b c d e f g h i j k l m 旧愛知県半田中学校武道場(七中記念館) 文化遺産オンライン
- ^ a b c 七中記念館 愛知県立半田高等学校
- ^ 「大正の武道場 再生へ 半田高 来夏完成目指し、寄付募る」『中日新聞』2017年2月4日
- ^ a b c 「七中記念館改修工事 竣工式に校長ら出席 半田高百周年事業」『中日新聞』2018年10月22日
- ^ 「国有形文化財 新たに3件 県内 美浜の野間埼灯台など」『中日新聞』2022年3月20日
参考文献
- 瀬口哲夫『街の歴史建築を訪ねて 愛知・名古屋を彩った近代洋風建築』ぐんBOOKS、2022年
外部リンク