ヴルタヴァ川 (ヴルタヴァがわ、チェコ語 :Vltava [ˈvl̩tava] ( 音声ファイル ) , ドイツ語 :Moldau [ˈmɔldaʊ] )は、チェコ 国内最長の川 である。エルベ川 の支流。表記ゆれでブルタバ川 とも[ 1] 。日本ではモルダウ川 (ドイツ語)としても知られる[ 2] 。その川の名前の(Vltava)は、「野生の水」を意味する古いゲルマン語の「wilt ahwa」に由来すると考えられている。
概要
ボヘミア盆地 [ 3] の水を集めプラハ を通って南 から北 に流れ、盆地の北部、ムニェルニーク でラベ川(エルベ川 )と合流[ 1] したのち、エルツ山脈 とズデーテン山脈 に切れ目を南から北へ通り、北ドイツ平原 (ドイツ語版 、英語版 ) [ 注 1] に流れ出て、ドレスデン 、マグデブルク 、ハンブルク などの都市を潤して北海 に抜ける。
ヴルタヴァ川は、ボヘミア盆地の南縁の一部にあたるシュマヴァ山地[ 6] (ボヘミアの森 )の主稜線上に位置しドイツ国境にほど近いチェルナー・ホラ山 (チェコ語版 、英語版 ) (チェコ語 : Černá hora )[ 7] 付近や、ドイツ側のバイエルンの森 (ドイツ語版 、英語版 ) [ 注 2] に発する複数の川を源流とする[ 8] 。ヴルタヴァ川の流域 は、これら源頭部の背後の山稜を結んだ稜線[ 注 3] を分水嶺 として南のドナウ川 の流域に接している。この分水嶺は、北海へ注ぐエルベ川流域と黒海 へと注ぐドナウ川流域とを分けている[ 9] 。
ヴルタヴァ川に建設されたダム のうち、最大規模の人工湖であるリプノ湖 (チェコ語版 、ドイツ語版 、英語版 ) (チェコ語 : Vodní nádrž Lipno )を経て、ヴィッシー・ブロト (チェコ語版 、英語版 ) で大きく流れを北に変えた後、チェスキー・ブジェヨヴィツェ 、プラハ を経てムニェルニーク でラベ川に合流する。プラハでは川幅500メートルほどで旧市街と城下町を隔てている。川には浅瀬が多く、昔はスラブ人 のチェヒ族がそこに移住してきた。大量の荷物を舟運を利用し、内陸部のあちこち運んだと想像できる。冬になると、この岸辺に、毎年北の国からハクチョウ、ユリカモメ、カモなど5,000羽近い水鳥が飛来してくる。
歴史
チェコの作曲家スメタナ は連作交響詩『わが祖国 』の第2曲でヴルタヴァ川を題材としている。作曲された19世紀後半は、当地はオーストリア=ハンガリー帝国 (ハプスブルク君主国 )統治下にあり、ドイツ語 が広く使われていたこともあってか、同曲は地名と同様にチェコ語名のヴルタヴァだけでなく、ドイツ語名のモルダウとしても知られている。
2002年 8月、洪水 が起こった。
ギャラリー
流域の都市
脚注
注釈
出典・参照
^ a b 『ブルタバ川 』 - コトバンク
^ 『モルダウ川 』 - コトバンク
^ 『ボヘミア盆地 』 - コトバンク
^ 『北ドイツ平野 』 - コトバンク
^ 『北ドイツ低地 』 - コトバンク
^ a b 『シュマバ 』 - コトバンク
^ 『チェルナー・ホラ[山 ]』 - コトバンク
^ 「バイエルンの森周辺の地勢図 」も参照。
^ 「ヨーロッパの主な流域 」も参照。
関連項目
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外部リンク