『トムとジェリー』(英: Tom and Jerry ) とは、1931年から1933年までヴァン・ビューレン・スタジオが制作し、RKOが配給したアニメーションのキャラクターである。
1950年代に Official Films がヴァン・ビューレン・スタジオのライブラリーを購入した際、1940年代から1950年代にかけてヒットしたメトロ・ゴールドウィン・メイヤー (MGM) の『トムとジェリー』との混同を避けるため、『ディックとラリー』(Dick and Larry) に改題されたが、今日では『ヴァン・ビューレンのトムとジェリー』(Van Beuren's Tom and Jerry)と呼ばれている。著作権表記がなかったため、パブリック・ドメイン扱いになっている。
キャラクターは新聞漫画のMutt and Jeff のように、背の低い男性がジェリー、背の高い男性がトムとなっていた。物語の内容や二人の役割は作品によって異なっており、二人が狩人として描かれている作品もあれば、放浪者として描かれている作品も存在する。スタイル的にはニューヨーク市にあったフライシャー・スタジオのアニメーションに似たようなところもあった。Don Markstein's Toonopedia によると、フライシャー・スタジオのスタッフが向い側にあるヴァン・ビューレン・スタジオを手伝うこともあり、2社の作品には類似点が見られるようになった。トムとジェリーの冒険も恐ろしい幻想や人種主義的なテーマを扱った不条理なコメディであり、ほんの少しだが性的表現ともとれる場面もあった。1932年公開のPiano Tooners では、フライシャー・スタジオのベティ・ブープを思わせるようなモダンガールが登場し、2社のスタイル面における類似性を表すものとなった。しかし、ミッキーマウスやベティ・ブープほどの人気は得られず、1933年に打ち切られた。