ルノー・9

ルノー・9
概要
別名 ルノー・アライアンス(アメリカ)
販売期間 1981年~1989年
ボディ
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン 1,108cc 水冷直列4気筒OHV
1,237cc 水冷直列4気筒OHV
1,397cc 水冷直列4気筒OHV
1,397cc 水冷直列4気筒OHVターボ
1,721cc 水冷直列4気筒SOHC
1,595cc 水冷直列4気筒SOHCディーゼル
変速機 4速MT/5速MT/3速AT
前:マクファーソン・ストラット
後:トレーリングアーム
前:マクファーソン・ストラット
後:トレーリングアーム
車両寸法
ホイールベース 2,475 mm
全長 4,065 mm
全幅 1,635 mm
全高 1,405 mm
車両重量 810 - 830 kg
その他
姉妹車 ルノー・11
系譜
先代 ルノー・14
後継 ルノー・19
テンプレートを表示

ルノー・9(Renault 9,R9)は、フランスの自動車製造会社、ルノー1981年から1989年の間に生産した乗用車である。フランス語では「9」を「ヌフ」(: neuf)と読む。北米向けはアメリカン・モーターズ(AMC)により1983年から1987年にかけて生産された。その他、スペイン台湾コロンビアアルゼンチントルコメキシコでも生産された。

概要

ルノー・14の後継として、1981年のフランクフルトモーターショーでデビュー。 5ドアハッチバックのみだった14とはうってかわり、4ドアセダンボディのみで登場。この変更は、北米市場で売るための戦略だったといわれる[1]

ハッチバックボディの兄弟車ルノー・11は、1年と少し遅れて1983年の初頭に登場した。同年から北米アメリカン・モーターズでもルノー・アライアンスとしてライセンス生産を開始[2]。本国仕様には存在しない2ドアセダンやコンバーチブルも用意され、さらにはステーションワゴンの計画もあったそうだが、これは実現しなかった。

ルノー9は、1982年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。北米ではアライアンスが1983年Car and Driver 10BestMotor Trendカー・オブ・ザ・イヤーに輝いている。

外観は、デビュー当初(フェイズ1)は角型2灯式のヘッドランプで、1985年のマイナーチェンジで11と同じ角型4灯式に変更。さらに1986年のマイナーチェンジ(フェイズ2)で若干スラントした横長の角型ランプに変更された。

フランスでの9の生産は1989年まで行われた。前年の1988年にデビューしたルノー・19が後を継いだ。9はその後も国外では継続生産され、トルコでは2000年まで生産されていた。

メカニズム

エンジン

デビュー時のエンジンはルノー・5と共通の旧式"C-type"OHVの1.1 L (1,108 cc) と1.4 L (1,397 cc) を横置きに改良して搭載[3]。1983年1月には新開発の1.6 L (1,595 cc) SOHCディーゼルを追加。

1985年には前年すでに11に搭載されていたターボを追加[1]9 Turbo11 Turboはルノー5・アルピーヌ・ターボ (110 PS) と共通の1.4 L・ギャレット製ターボ+インタークーラー付きだが、105 PSに若干ディチューンされていた。なおこれをベースに作られたGr.Aのラリーカーは約220bhpを発揮していた。同じ1985年にはボルボと共同開発した新しいSOHCのF-type・1.7 L (1,721 cc) エンジンが登場(これもすでに11に搭載されていた)[1]。上級グレードのGTX、GTE、TXEとエレクトロニクに搭載された。

1986年、1.1 Lが1,237 ccに換装されたほか、ターボが115 PSに出力アップしている[1]

駆動系、サスペンション

前輪駆動のエンジンは横置きに搭載。ルノーにおいて横置き方式の採用は14に次ぐものであったが、14のプジョー式とは異なり、エンジンとトランスミッションを横一列に配置するジアコーサ方式を初めて採用した。トランスミッションはジアコーサ方式用に新設計され、4MT/5MTのほか、18用の3ATも設定された[3]

サスペンションはフロントがマクファーソン・ストラット。リアは横置きトーションバーを用いたトレーリングアームであるが構造を改良、同様のシステムを持つルノー・4/5/14のような左右ホイールベースの違いはなくなっている[3]

脚注

  1. ^ a b c d 自動車アーカイヴ Vol.14 80年代のフランス車篇. 二玄社. (2006-08-20). p. 19 
  2. ^ 自動車アーカイヴ Vol.12 80年代のアメリカ車篇. 二玄社. (2005-04-24). p. 185 
  3. ^ a b c 別冊CAR GRAPHIC 1982年の乗用車 外国車篇. 二玄社. (1982). pp. 52-54 

参考文献

  • 別冊CAR GRAPHIC 1982年の乗用車 外国車篇. 二玄社. (1982) 
  • 自動車アーカイヴ Vol.14 80年代のフランス車篇. 二玄社. (2006-08-20) 
  • 自動車アーカイヴ Vol.12 80年代のアメリカ車篇. 二玄社. (2005-04-24) 

外部リンク

ルノー ロードカータイムライン 1980年代-
タイプ 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3
コンパクト トゥインゴ トゥインゴII トゥインゴIII
5/7 シュペール5 クリオI クリオII クリオIII クリオIV クリオV
シンボルI シンボルII
モデュス
カングー カングーII カングーIII
14 9/11 19 メガーヌI メガーヌII メガーヌIII メガーヌIV
フルエンス メガーヌIVセダン
パルス
スカラI スカラII
ミドル 18 21 ラグナI ラグナII ラグナIII
20/30 25 サフラン ヴェルサティス ラティテュード/サフラン
アッパー タリスマン(中国向け)
タリスマン
ミニバン セニックI セニックII セニックIII セニックIV
エスパスI エスパスII エスパスIII エスパスIV エスパスV エスパスVI
クーペ フエゴ アヴァンタイム ラグナクーペ
オープン ウインド
SUV キャプチャー キャプチャーII
カジャー
オーストラル
コレオス コレオスII
アルカナ
ピックアップトラック アラスカン
貨物自動車 マスターI マスターII マスターIII
トラフィックI トラフィックII トラフィックIII
エクスプレス
アルピーヌ/ルノースポール A310 V6 A610 スパイダー A110(2017)