ルドルフ・ハプスブルク=ロートリンゲン (Rudolph Habsburg-Lothringen , 1919年 9月5日 - 2010年 5月15日 )は、オーストリア の旧統治者家門ハプスブルク=ロートリンゲン家 の一員。最後のオーストリア皇帝 ・福者 カール1世 の五男、末息子。
生涯
ルドルフ(左から3番目)と兄弟姉妹
元皇帝カール1世とその妻でパルマ公 ロベルト1世 の娘であるツィタ 皇后の間の第6子、五男として生まれた。洗礼名 はハプスブルク家出身の最初のローマ王 ルドルフ1世 にちなんでいる。両親の亡命先であるマデイラ島 で幼少期を過ごしたが、1922年に父が死ぬと、家族とともにベルギー に移住した[ 1] 。1940 年、ナチスの西側侵攻を逃れ、家族と共にカナダに移り、ケベック シティのラヴァル大学で経済学と社会科学を学びました[ 2] 。
家長である長兄オットー の指示によりアメリカ軍 に入隊し、軍の特殊任務で偽名を使ってアンシュルス 後のオーストリアに送り込まれ、そこで反ナチのレジスタンス運動(Widerstand gegen den Nationalsozialismus )に参加している[ 1] 。戦後、ウォールストリート で証券会社に勤務し、さらにベルギー領コンゴ に移住してコーヒー農場を経営するかたわら、ベルギーで銀行取締役を務めた[ 3] 。
1953年6月22日にニューヨーク において、ロシア人亡命貴族セルゲイ・チェルニシェフ=ベゾブラソフ伯爵の娘クセニヤ・チェルニシェワ=ベゾブラソワ伯爵夫人(1929年 - 1968年)と結婚し、間に4人の子女を儲けたが、クセニヤは1968年にベルギーのエノー州 ソワニー (英語版 ) で交通事故により亡くなった。ルドルフは1971年10月15日にバイエルン州 のエリンゲン において、ヴレーデ侯カールの娘アンナ・ガブリエーレ(1940年 - )と再婚し、間に娘を1人儲けている[ 1] [ 4] 。
1980年、ルドルフは1919年4月10日にオーストリア共和国政府の制定したハプスブルク家の財産没収・国外追放に関する法律(ハプスブルク法 )が自らに適用されていることが違法だとオーストリアの裁判所に訴え、勝訴した。同法の制定後に生まれた自分が、帝位請求権放棄を宣言しない限り入国を禁止されるのは、不当であるというのが、ルドルフの主張であった[ 5] 。2010年に死去し、スイス、アールガウ州 のフライアムト (英語版 ) にあるムーリ修道院 に葬られた。
子女
最初の妻クセニヤとの間に4人の子女をもうけた。
マリア・アンナ ・シャルロッテ・ツィタ・エリーザベト・レギーナ・テレーゼ(1954年 - ) - 1981年、ピョートル・ゴリツィン公爵と結婚
カール・ペーター ・オットー・ゼールゲ・ヨーゼフ・パウル・レオポルト・ハインリヒ(1955年 - ) - 1998年、ヴレーデ侯女アレクサンドラと結婚
ジメオン ・カール・オイゲン・ヨーゼフ・レオポルト (1958年 - ) - 1996年、両シチリア王女マリーア(カラブリア公カルロス の娘)と結婚
ヨハネス・カール ・ルートヴィヒ・クレメンス・マリア・ヨーゼフ・マルクス・ダヴィアノ・レオポルト(1962年 - 1975年)
2番目の妻アンナ・ガブリエーレとの間の娘を1人もうけた。
カタリーナ・マリア ・ヨハンナ・ツィタ・ゾフィー・カスパーラ(1972年 - ) - 1998年、セッコ・ディ・アラゴーナ伯爵マッシミリアーノと結婚
脚注
^ a b c Kaisersohn Rudolph Habsburg-Lothringen gestorben auf DiePresse.com vom 25. Mai 2010.
^ Bernier Arcand, Philippe (2022). “Les Bourbon-Parme dans les institutions d’enseignement du Québec” (フランス語). Histoire Québec 28 (1): 24–28. ISSN 1201-4710 . https://www.erudit.org/en/journals/hq/1900-v1-n1-hq07421/100332ac/abstract/ .
^ Kaisersohn Rudolph Habsburg-Lothringen tot auf derStandard.at vom 25. Mai 2010.
^ Hans Friedrich von Ehrenkrook (Hrsg.): Genealogisches Handbuch des Adels. Band 100, Starke, Limburg 1991, ISBN 3-7980-0700-4 , S. 99.
^ E. Lauterpacht, C. J. Greenwood (Hrsg.): International Law Reports. Cambridge University Press, London 1988, S. 475ff.