ルシフェリン (英: luciferin) とは、ルシフェラーゼによって酸化されて発光する物質の総称であり、ホタル、深海魚、微生物などが起こす生物発光の源である。発光素とも言う。名称は、「光をもたらす者(英: Lightbringer)」「明けの明星」を意味する羅: Lucifer(ルクスの同語源)に因む。
分類
一般的に以下の5種類に分類される。
- ホタルルシフェリン
- ホタルの持つルシフェリンで、ホタルルシフェラーゼ (EC 1.13.12.7) によって酸化され発光する。
- バクテリアルシフェリン
- バクテリアやある種のイカ、魚類に見られる。長鎖のアルデヒドと還元型のリン酸リボフラビンからなる。
- 渦鞭毛藻類ルシフェリン
- クロロフィルの誘導体で、渦鞭毛藻類(海洋性プランクトン)が持つ。オキアミ類もこれと類似するものを持っていることがある。
- ヴァルグリン(英語版)
- ウミホタルなどの貝虫やガマアンコウに見られる。その基本骨格はイミダゾピラジノンであり、多くの互変異性体がある。生合成には、イソロイシン、アルギニン、トリプトファンの3種のアミノ酸が含まれる。
- セレンテラジン
- 放散虫、有櫛動物、刺胞動物、イカ、クモヒトデ、カイアシ類、毛顎動物、魚、エビなどに見られる。タンパク質イクオリン中の発光分子である。
関連項目
- 下村脩 - 1957年に初めてウミホタルから抽出したルシフェリンの結晶化に成功した