リムリック・ソビエト(アイルランド語: Sóivéid Luimnigh、英語: Limerick Soviet)は、1919年4月15日から27日にかけてアイルランドのリムリックに存在した、ソビエトを自称した機関である。アイルランド独立戦争の開始に伴い、1914年の王国防衛法(en)に基いてイギリス軍がリムリックのほぼ全域を含むリムリック県の一部を「特別軍事区域」("Special Military Area")に指定したことに対する抗議として、リムリック商業者・労働者評議会("The Limerick Trades and Labour Council")がゼネラル・ストライキを組織した。その間のリムリックではソビエトによって食料が供給され、独自の通貨も発行されていた[1]。
ゼネストは軍に対するボイコットをもたらした。独自の通貨の発行と食料価格の統制、新聞の出版を目的とした特別なストライキ委員会も組織された。企業は委員会の発行した通貨を受け入れたが、それも数か月と続かなかった。リムリックを支持する声はダブリンでこそあったものの、アイルランド屈指の工業地帯であるベルファスト周辺ではほとんど見られず、とりわけ鉄道員国家連合("The National Union of Railwaymen")からの支持は弱かった。