『ラヴ・クライ』(Love Cry)は、アメリカ合衆国のジャズ・サクソフォーン奏者、アルバート・アイラーが1968年に発表したスタジオ・アルバム。
解説
タイトル曲は、本作の録音に先がけて、ジョン・コルトレーンの葬儀で演奏された[3]。収録曲のうち2曲は過去のアルバムで発表された曲の再演で、「ゴースツ」は『スピリチュアル・ユニティ』(1964年録音)、「ベルズ」は『ベルズ』(1965年録音)からの曲である。アイラーの弟ドナルド・アイラー(英語版)は、インパルス!レコードの判断により、本作を最後にアイラーのグループから解雇された[2]。
評価
アル・キャンベルはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け、「初期にESPディスクで録音した作品と比べると、音楽的にはトーンダウンしているが、決して商業主義に走ったわけではない」「『ラヴ・クライ』は、アイラーの妥協なき音楽的自由度と、童謡やブラスバンドのマーチからの影響との融合が傑出している」と評している[2]。また、2021年にはジャズワイズ(英語版)により「アルバート・アイラーの必聴アルバム10選」の一つに挙げられ「ジョン・コルトレーンの『オム』、アーチー・シェップの『ザ・マジック・オブ・ジュジュ』と並ぶ、最も強力な前衛アシッド・ジャズ」と評されている[4]。
収録曲
全曲ともアルバート・アイラー作曲。
- ラヴ・クライ - "Love Cry" - 3:56
- ゴースツ - "Ghosts" - 2:48
- オメガ - "Omega" - 3:16
- ダンシング・フラワーズ - "Dancing Flowers" - 2:22
- ベルズ - "Bells" - 3:09
- ラヴ・フラワー - "Love Flower" - 3:32
- ザイオン・ヒル - "Zion Hill" - 6:08
- ユニヴァーサル・インディアンズ - "Universal Indians" - 9:46
参加ミュージシャン
脚注
外部リンク