ラクスル株式会社(英: RAKSUL INC.)は、インターネット関連サービスを中心に展開する日本の企業。
概要
企業の遊休資産を利用する、いわゆるシェアリングエコノミーの手法により、「ラクスル」では印刷機の非稼動時間を、「ハコベル」では運送会社の空き時間を、それぞれ活用することで低廉な価格を実現している。とくに「ラクスル」では、印刷機の稼働率が4割程度であることに着目し、これを利用することで自社の印刷工場を持つ必要がなく、コストを削減できているとする。社長の松本恭攝はミスミの「持たざる経営」を参考にしたと語っている[3]。
2015年には米Red Herring誌による世界で最も革新的なテクノロジーベンチャーを選出するアワード[4]「2015 Red Herring Top Global 100」に選出された[5]。また、日本国内においても、2019年に、経済産業省等が主催する第5回「日本ベンチャー大賞」において「経済産業大臣賞(ベンチャー企業・大企業等連携賞)」を受賞したほか、数々の受賞歴を誇る[6]。
沿革
- 2009年(平成21年)9月 - 東京都新宿区にてラクスル株式会社を設立(創業者:松本恭攝)[7]
- 2010年(平成22年)4月 - 印刷通販の価格比較サービスサイト「印刷比較.com」の運営を開始
- 2010年(平成22年)9月 - 「印刷比較.com」を「ラクスル」に名前変更・サイトリニューアル
- 2014年(平成26年)7月 - テレビCMの放送を開始
- 2015年(平成27年)10月 - シンガポールに100%子会社であるRAKSUL INTERNATIONAL PTE. LTD.を設立
- 2015年(平成27年)12月 - 物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」を開始
- 2018年(平成30年)5月 - 東京証券取引所マザーズに上場
- 2019年(令和元年)8月 - 東京証券取引所第1部に市場変更
- 2020年(令和2年) 4月 - 運用型のテレビCMを可能にするプラットフォーム「ノバセル」を開始
- 2020年(令和2年)6月 - ベトナムに100%子会社であるRAKSUL VIETNAM COMPANY LIMITEDを設立
- 2020年(令和2年)7月 - インドに100%子会社であるRAKSUL INDIA PRIVATE LIMITEDを設立
- 2020年(令和2年)10月 - 株式会社ペライチに出資し持分法適用関連会社化[2]
- 2020年(令和2年)12月 - 株式会社ダンボールワンに出資し持分法適用関連会社化[2]
- 2021年(令和3年)9月 - コーポレートITのプラットフォーム「ジョーシス」を開始
- 2021年(令和3年)9月 - ネットスクウェア株式会社に出資し持分法適用関連会社化[8]
- 2022年(令和4年)2月 - 株式会社ダンボールワンを完全子会社化[9][10]、ノバセル事業をノバセル株式会社に[11]、ジョーシス事業をジョーシス株式会社[12] に分社化
- 2022年(令和4年)3月 - ジョーシス株式会社を持分法適用関連会社に異動[13]
- 2022年(令和4年)4月 - 東京証券取引所プライム市場に移行
- 2022年(令和4年)8月 - ハコベル事業をハコベル株式会社に分社化、セイノーホールディングスに対して第三者割当増資を実施することで持分法適用関連会社に異動[14]
- 2023年(令和5年)7月 - ネットスクウェア株式会社を持分法適用関連会社から除外[15]。
- 2023年(令和5年)8月 - 株式会社ダンボールワンを吸収合併[16]。ネットスクウェア株式会社からラクスル向け事業を分社化した株式会社ラクスルファクトリーを完全子会社化[15]。松本恭攝 取締役会長に就任、永見世央 代表取締役社長CEOに就任[17]。
- 2023年(令和5年)10月 - 株式会社AmidAホールディングスを連結子会社化[18]。
サービス
- インターネットからチラシや冊子、パンフレット、ポスターなどの印刷や、新聞折込やポスティングの印刷から配布を一気通貫で行うことができる。
テレビ番組
関連会社
連結子会社
- ラクスル独自の広告手法とテレビCMの広告効果測定を行うことができる「ノバセルアナリティクス」の活用により、広告投資の最適化を目指しながら、“運用型のテレビCM”として企画・制作・放映・分析まで一気通貫して提供している。
持分法適用関連会社
- 株式会社ペライチ
- ジョーシス株式会社
- ハコベル株式会社
- 荷物を送りたい企業・個人と空き時間に仕事を受注したい軽貨物ドライバーをマッチングする「ハコベルカーゴ」と物流業者向けの配車管理・求貨求車システムの「ハコベルコネクト」の2つのサービスがある。
出典
- ^ ガバナンス - ラクスル株式会社
- ^ a b c 2021年7月期有価証券報告書
- ^ “10億円ビジネスの秘密は印刷機の「仮想化」”. アスキーPC. 2018年9月29日閲覧。
- ^ “RED HERRING GLOBAL”. Red Herring, inc. 2021年4月5日閲覧。
- ^ “2015 Top 100 Global: Winners — Red Herring”. 2018年9月29日閲覧。
- ^ “アワード受賞歴”. RAKSUL. 2023年11月11日閲覧。
- ^ a b 効率の悪い業界に変革を! 「ラクスル」急拡大の秘密 - テレビ東京 2022年6月2日
- ^ 2022年第1四半期報告書
- ^ 株式会社ダンボールワンの追加取得(完全子会社化)に関するお知らせ ラクスル 2021年12月9日
- ^ ラクスルに全株式売却 ダンボールワン、計45億円で 辻社長は続投 北國新聞 2021年12月10日
- ^ “会社分割(簡易新設分割)による子会社設立に関するお知らせ(ノバセル株式会社)”. ラクスル株式会社. (2021年12月21日). https://ssl4.eir-parts.net/doc/4384/tdnet/2062044/00.pdf 2022年2月6日閲覧。
- ^ “会社分割(簡易新設分割)による子会社設立に関するお知らせ(ジョーシス株式会社)”. ラクスル株式会社. (2021年12月21日). https://ssl4.eir-parts.net/doc/4384/tdnet/2062046/00.pdf 2022年2月6日閲覧。
- ^ “子会社の第三者割当増資に伴う異動に関するお知らせ”. ラクスル株式会社. (2021年3月11日). https://ssl4.eir-parts.net/doc/4384/tdnet/2095187/00.pdf 2022年3月14日閲覧。
- ^ “会社分割(簡易新設分割)、新設会社の株式譲渡及び第三者割当増資によるセイノーホールディングス株式会社との合弁に関するお知らせ”. ラクスル株式会社. (2021年6月10日). https://ssl4.eir-parts.net/doc/4384/tdnet/2141899/00.pdf 2022年6月10日閲覧。
- ^ a b “(開示事項の経過)株式取得(子会社化)に関する株式譲渡契約締結のお知らせ”. ラクスル株式会社. (2023年6月9日). https://ssl4.eir-parts.net/doc/4384/tdnet/2297352/00.pdf 2023年10月31日閲覧。
- ^ “連結子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ”. ラクスル株式会社. (2023年5月18日). https://ssl4.eir-parts.net/doc/4384/tdnet/2283806/00.pdf 2023年10月31日閲覧。
- ^ ラクスル経営陣 - ラクスル 2024年8月17日閲覧
- ^ “株式会社AmidAホールディングス株式(証券コード:7671)に対する公開買付けの結果及び子会社の異動に関するお知らせ”. ラクスル株式会社. (2023年9月26日). https://ssl4.eir-parts.net/doc/4384/tdnet/2339528/00.pdf 2023年10月31日閲覧。
外部リンク