ミリアム(ヘブライ語: מִרְיָם (Miryam), ラテン語: Miriam, 英語: Miriam)は、『旧約聖書』に登場する女預言者。コハテの子アムラムとレビの娘ヨケベドの娘で、モーセとアロンの姉である[1][2]。(「ミリアムとアロンはモーセとは母が違う異母姉・異母兄」とする説もある[注釈 1]。)
概要
イスラエルの民を率いてモーセがエジプトを脱出した時、追いかけてきたファラオの軍勢が紅海に飲み込まれた後で、ミリアムは小太鼓[4]を手にとり、踊りながら歌い従い来る女たち皆の音頭をとって、神を賛美する歌を歌った[5]。
荒野を放浪した民がヘツェロトにいたとき、モーセの兄アロンとミリアムはモーセがクシュ人の女性を妻にしたことを非難する。モーセは反論しなかった。ミリアム、アロン、モーセは神の臨在の幕屋の前に呼ばれる。雲の柱の形であらわれた神はモーセを非難したアロンとミリアムに対して怒りを表して去っていく。ミリアムは瞬時にして重い皮膚病にかかり、全身が白くなる。アロンとミリアムは自分たちの行いを悔いる。アロンがモーセに許しをもとめたため、ミリアムは神の指図によって1週間宿営から隔離された後、元の宿営に戻ることができた[6]。
ミリアムはツィンの荒野のカデシュの地でなくなったという[7]。
なお、マリアという女性名はミリアムのアラム語読みに由来する。
脚注
注釈
- ^ 『出エジプト記』のモーセ誕生の話(第2章)では「(モーセの母が)結婚して妊娠して男の子(後のモーセ)を生んだ」とモーセが第一子のような書かれ方をしている<第1・2節>が、直後の第4節にモーセの姉が出てくること、前後の話が並行的な内容ではないことや姉の話がこのエピソードの中心のため、異説統合や後世の付け足しによる矛盾と考えにくいことから「母にとっては第一子だが父にはすでに子供がいた」と解釈するものである。
また、第15章20節の歌う所でも(モーセがそばにいるのに)「アロンの姉妹」として扱われ、モーセよりもアロンと直接結ばれている
出典
参考文献
- ハンス・シュモルト 著、高島市子 訳 『レクラム版 聖書人名小事典』 創元社、2014年9月20日初版。
- 関根正雄『旧約聖書 出エジプト記』株式会社岩波書店、2007年第42刷(第1刷は1969年)。ISBN 4-00-338012-6。
外部リンク
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