フレデリック郡 (メリーランド州)

メリーランド州フレデリック郡
フレデリック郡内の農園
メリーランド州フレデリック郡の旗
郡旗
メリーランド州フレデリック郡の紋章
郡章
フレデリック郡の位置を示したメリーランド州の地図
郡のメリーランド州内の位置
メリーランド州の位置を示したアメリカ合衆国の地図
州のアメリカ合衆国内の位置
設立 1748年
郡庁所在地 フレデリック
最大都市 フレデリック
面積
 - 総面積
 - 陸
 - 水

1,728 km2 (667.34 mi2)
1,717 km2 (662.88 mi2)
12 km2 (4.46 mi2), 0.67%
人口
 - (2020年)
 - 密度

271,717人
標準時 東部: UTC-5/-4
ウェブサイト www.frederickcountymd.gov

フレデリック郡: Frederick County)は、アメリカ合衆国メリーランド州である。ペンシルベニア州南部とバージニア州北東部の州境に接している。人口は27万1717人(2020年)[1]郡庁所在地フレデリックであり、同郡で人口最大の都市である。フレデリック郡からフランシス・スコット・キートマス・ジョンソンロジャー・B・トーニー、バーバラ・フリッチーなど多くの著名人を輩出してきた。

フレデリック郡はワシントン・ボルチモア・北バージニア広域都市圏に属しているが、メリーランド州西部地域にあると見なされることがある。郡内には大統領の山荘キャンプ・デービッドのあるカトクティン山公園があり、またアメリカ陸軍フォート・デトリックもある。郡およびフレデリック市の名前は、第6代ボルティモア男爵フレデリック・カルバートにちなむと考えられている[2]

歴史

フレデリック郡は1748年にプリンスジョージズ郡ボルチモア郡の一部を合わせて設立された。

1776年、フレデリック郡の領域が3つに分けられた。最西部がジョージ・ワシントンに因むワシントン郡となり、最南部はやはり独立戦争の将軍リチャード・モントゴメリーに因むモンゴメリー郡となった。北部が郡内に留まった。

1837年、郡の東側の一部とボルチモア郡の一部を合わせてキャロル郡が作られた。

郡内には多くのアメリカ合衆国国家歴史登録財がある[3]

郡政府

フレデリック郡は選挙で選ばれる5人の委員で構成される郡政委員会が統治しており、委員会はメリーランド州の伝統的な郡政府形態であ

フレデリック郡は州内でも昔から共和党が強い郡だったが、新興開発地域では情勢が変化してきている。1964年アメリカ合衆国大統領選挙民主党リンドン・B・ジョンソンを支持してから以降は、一貫して共和党候補を支持してきた。2004年の場合はジョージ・W・ブッシュジョン・ケリーを59%対39%で破った[4]。2008年には接戦となり、共和党のジョン・マケインは民主党のバラク・オバマを1,157票差、49.62%対48.58%で破った[5]。それでも2010年にあった州知事選挙とアメリカ合衆国上院議員選挙では共和党が持ち直し、州知事選挙では共和党候補が55%、民主党候補が45%という結果になった。上院議員選挙の場合は、共和党候補が51%、民主党の現職候補が46%となった。ただし、メリーランド州全体では民主党候補が61%対37%で圧勝した。フレデリック郡は保守的であるという評判だが、同性結婚の合法化を問うたメリーランド州住民投票では賛成が多数となった。

郡内の消防救急活動は常勤職とボランティア消防団の組み合わせで行っている。消防士は350人以上を雇用している。26ある消防団の団員は約800人である。先進ライフサポートを含む救急医療サービスは消防と一体である。常勤職もボランティアも消防と救急サービスを協力して行う。フレデリック市民空港にはメリーランド州警察のメデバックが駐屯している。州全体の呼び出しに対応するが、地元警察や消防救急活動への対応も行っている。

フレデリック郡の公式言語は英語である[6]

地理

フレデリック郡はピードモント台地アパラチア山脈の境目に跨っている。カトクティン山とサウス山という2つの著名な山がブルーリッジ山脈の延長になっている。その間にミドルタウン・バレーがある。

アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、郡域全面積は667.34平方マイル (1,728.4 km2)であり、このうち陸地662.88平方マイル (1,716.9 km2)、水域は4.46平方マイル (11.6 km2)で水域率は0.67%である[7]。メリーランド州では面積最大の郡である[8]

郡内の見どころとしては、クラスタード・スパイアーズ、フランシス・スコット・キーの記念碑、南北戦争医療の国立博物館、モノカシー国立戦場跡、サウス山戦場跡、シッファーシュタット建築博物館がある。

主要高規格道路

隣接する郡

国立保護地域

  • カトクティン山公園
  • チェサピーク・アンド・オハイオ運河国立歴史公園(部分)
  • モノカシー国立戦場跡

人口動態

フレデリック郡の人口推移
人口(人)
1790 30,791
1800 31,523
1810 34,437
1820 40,459
1830 45,789
1840 36,405
1850 40,987
1860 46,591
1870 47,572
1880 50,482
1890 49,512
人口(人)
1900 51,920
1910 52,673
1920 52,541
1930 54,440
1940 57,312
1950 62,287
1960 71,930
1970 84,927
1980 114,792
1990 150,208
2000 195,277
2010 233,385
2012 239,582 [1]

2010年統計

2010年国勢調査に拠れば、郡内の人口動態は次のようだった。

基礎データ

  • 人口: 233,385人
  • 世帯数: 84,800世帯
  • 家族数: 61,198家族
  • 人口密度: 114人/km2(295人/mi2
  • 住居数: 90,136軒
  • 住居密度: 43軒/km2(110軒/mi2

人種別人口構成

先祖による構成

  • ドイツ系:24.7%
  • アメリカ人:12.9%
  • アイルランド系:12.3%
  • イギリス系:10.1%

2000年統計

以下は2000年国勢調査による人口統計データである。

年齢別人口構成

  • 18歳未満: 25.3%
  • 18-24歳: 8.4%
  • 25-44歳: 26.7%
  • 45-64歳: 28.6%
  • 65歳以上: 11.1%
  • 年齢の中央値: 39歳
  • 性比(女性100人あたり男性の人口)
    • 総人口: 96.9
    • 18歳以上: 94.0

世帯と家族(対世帯数)

  • 18歳未満の子供がいる: 37.6%
  • 結婚・同居している夫婦: 57.8%
  • 未婚・離婚・死別女性が世帯主: 10.0%
  • 非家族世帯: 27.8%
  • 単身世帯: 22.0%
  • 65歳以上の老人1人暮らし: 7.8%
  • 平均構成人数
    • 世帯: 2.70人
    • 家族: 3.17人

経済

収入

収入と家計

  • 収入の中央値
    • 世帯: 82,668米ドル
    • 家族: 97,591米ドル
    • 性別
      • 男性: 65,829米ドル
      • 女性: 48,507米ドル
  • 人口1人あたり収入: 36,343米ドル
  • 貧困線以下
    • 対人口: 5.4%
    • 対家族数: 3.8%

フレデリック郡は国内の裕福な郡リストで第43位だった。

アメリカ陸軍のフォート・デトリックが郡内最大雇用主である。政府以外の大規模雇用主としては、フレデリック記念医療システム、ベクテル、SAIC、ウェルズ・ファーゴがある[9]。郡の西部と北部はその経済要素として農業が強く、牛乳では州内最大の生産郡である[10]

郡内の都市化の程度を示す図

都市と町

ブランズウィック
バーキッツビル
エミッツバーグ
フレデリック、郡庁所在地かつ郡内人口最大都市
ミドルタウン

郡内には12つの自治体がある。( )内は法人化年である。

都市

    1. バーキッツビル(1894年)
    2. エミッツバーグ(1824年)
    3. ミドルタウン(1833年)
    4. マウントエアリー(1894年)、一部はキャロル郡
    5. マイアーズビル(1904年)
    6. ニューマーケット(1878年)
    7. サーモント(1831年)
    8. ウォーカーズビル(1892年)
    9. ウッズボロ(1836年)

    1. ローズモント(1953年)

未編入の町

未編入領域も「町」と考えられるが、政府は無い。アメリカ合衆国国勢調査局、アメリカ合衆国郵便公社、地元商工会議所など様々な組織がその町を定義している。法人化はされていないので、その境界が定義されていない。アメリカ合衆国国勢調査局は以下の国勢調査指定地域を登録している。

  1. バレンジャークリーク
  2. ブラドックハイツ
  3. クローバーヒル
  4. ディスカバリー・スプリングガーデン(ディスカバリーとスプリングガーデンを組み合わせている)
  5. グリーンバレー
  6. リンガノア・バートンズビル(リンガノアとバートンズビルを組み合わせている)
  7. アーバナ

その他の未編入領域として次の町がある。

  1. アダムズタウン
  2. バッキーズタウン
  3. グレイスハム
  4. アイジャムズビル
  5. ジェファーソン
  6. ノックスビル
  7. レイディーズバーグ
  8. ルイスタウン
  9. リバティタウン
  10. レイクリンガノア
  11. モンロビア
  12. ニューミッドウェイ
  13. ピーターズビル
  14. ポイントオブロックス
  15. ロッキーリッジ
  16. サビラスビル
  17. サニーサイド
  18. タスカローラ
  19. ユーティカ
  20. ウルフスビル

脚注

  1. ^ Quickfacts.census.gov”. 27 September 2023閲覧。
  2. ^ Frederick County, Maryland — Government”. Maryland State Archives (March 5, 2008). 2008年8月16日閲覧。
  3. ^ National Park Service (15 April 2008). "National Register Information System". National Register of Historic Places. National Park Service. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  4. ^ 2004 election results
  5. ^ 2008 election results
  6. ^ McCarthy, Pete (February 22, 2012). “County Makes English Official Language”. Frederick News-Post. http://www.fredericknewspost.com/sections/news/display.htm?StoryID=132165 
  7. ^ Census 2010 U.S. Gazetteer Files: Counties”. United States Census. 2013年4月13日閲覧。
  8. ^ Frederick News-Post Local Section”. The Frederick News-Post. 2007年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年3月16日閲覧。
  9. ^ Frederick County Office of Economic Development
  10. ^ Frederick County Office of Economic Development (Fast Facts#Brief Economic Facts)

参考文献

外部リンク

座標: 北緯39度28分 西経77度24分 / 北緯39.47度 西経77.40度 / 39.47; -77.40