フレデリック・エドモンド・ヴァンブリート・シニア(Fredderick Edmund VanVleet Sr., 1994年2月25日 - )は、アメリカ合衆国イリノイ州ロックフォード出身のプロバスケットボール選手。NBAのヒューストン・ロケッツに所属している。ポジションはポイントガード。
経歴
カレッジ
ウィチタ州立大学時代はロン・ベイカーとのガードコンビで鳴らし、2013年はNCAAトーナメントで同大学をFinal 4 に導く[1]。更に2014年から3年連続でミズーリ・バレー・カンファレンスの1stチームに選出され、同カンファレンスの最優秀選手にも2回選出されるなど活躍したヴァンブリートだったが、2016年のNBAドラフトでは評価は高くなかった。
ヴァンブリートはドラフト1巡目では指名されず、ドラフト中に複数球団から「入団後2,3年間はGリーグでプレーすることを前提にドラフト指名しても良い」と伝えられたが、彼はこれらの球団には自身の指名を避けて欲しいと伝え、ドラフト指名を受けることはなくサマーリーグに参加することとなった。
トロント・ラプターズ
2016年7月のNBAサマーリーグにトロント・ラプターズの一員として参加し、同月28日にトレーニングキャンプに関する契約を締結[2]。熾烈な開幕最終ロースター枠争いを勝ち抜き、10月22日に正式に選手契約を結んだ[3][4]。
2年目となる2017-18シーズンにはチーム内のローテーションに定着し、セカンドユニットのまとめ役を担う。この年にはシックスマン賞の最終候補に選ばれた。オフに2年1800万ドルでラプターズと再契約した。
翌シーズンから先発で出場する機会を得始め、平均得点も2桁に到達する。プレーオフでは一時不調に陥るが、ミルウォーキー・バックスとのカンファレンスファイナルの最中に長男が誕生。すると第3戦までの不調から一転、同シリーズの第4~6戦で全て二桁得点を決めるなど(第5戦では7本のスリーポイントを成功させるなど21得点を決めた。)[5]、チームのファイナル進出に大きく貢献した。ファイナルでも好調を維持し、5試合で二桁得点を決めた。特に優勝を決めた第6戦では、5本のスリーポイント含めて22得点を決め[5]、ヴァンブリートはMVP投票で1票を獲得した。
2020年オフに、4年8500万ドルでラプターズに残留。ドラフト外選手としてはNBA史上最高額の契約となった。
2021年2月2日のオーランド・マジック戦では、11本のスリーポイントシュートを沈め、自身のキャリアハイとなる54得点を記録した。この記録は、デマー・デローザンの52得点を上回る球団史上最多得点記録であるほか、モーゼス・マローンによる53得点を上回る、ドラフト外選手による個人最多得点を記録する快挙である。
2021-22シーズン、カイル・ラウリーの移籍によって役割が増加した。このシーズンは初めてNBAオールスターゲームに選出された[6]。
2023年4月2日のシャーロット・ホーネッツ戦でキャリアハイかつフランチャイズ記録となる20アシストを含む20得点、5リバウンド、3スティールを記録し、チームは128-108で勝利した。なお、ドラフト外選手が20得点、20アシスト以上のダブル・ダブルを記録したのはボブ・デイビス以来史上2人目であった[7][8]。
2022-23シーズンオフにプレイヤーオプションを破棄し、FAとなった[9]。
ヒューストン・ロケッツ
2023年7月7日にヒューストン・ロケッツと3年総額1億3,000万ドルのマックス契約を結んだ[10]。
個人成績
NBA
レギュラーシーズン
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2016–17
|
TOR
|
37 |
0 |
7.9 |
.351 |
.379 |
.818 |
1.1 |
.9 |
.4 |
.1 |
2.9
|
2017–18
|
76 |
0 |
20.0 |
.426 |
.414 |
.832 |
2.4 |
3.2 |
.9 |
.3 |
8.6
|
2018–19†
|
64 |
28 |
27.5 |
.410 |
.378 |
.843 |
2.6 |
4.8 |
.9 |
.3 |
11.0
|
2019–20
|
54 |
54 |
35.7 |
.413 |
.390 |
.848 |
3.8 |
6.6 |
1.9 |
.3 |
17.6
|
2020–21
|
52 |
52 |
36.5 |
.389 |
.366 |
.885 |
4.2 |
6.3 |
1.7 |
.7 |
19.6
|
2021–22
|
65 |
65 |
37.9 |
.403 |
.377 |
.874 |
4.4 |
6.7 |
1.7 |
.5 |
20.3
|
2022–23
|
69 |
69 |
36.7 |
.393 |
.342 |
.898 |
4.1 |
7.2 |
1.8 |
.6 |
19.3
|
2023–24
|
HOU
|
73 |
73 |
36.8 |
.416 |
.387 |
.860 |
3.8 |
8.1 |
1.4 |
.8 |
17.4
|
通算
|
490 |
341 |
30.8 |
.404 |
.375 |
.868 |
3.4 |
5.7 |
1.4 |
.5 |
15.0
|
オールスター
|
1 |
0 |
9.3 |
.500 |
.500 |
--- |
2.0 |
3.0 |
.0 |
.0 |
6.0
|
プレーオフ
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2017
|
TOR
|
7 |
0 |
4.1 |
.667 |
.400 |
--- |
.1 |
.6 |
.1 |
.0 |
2.0
|
2018
|
6 |
1 |
19.0 |
.333 |
.286 |
.875 |
1.7 |
2.2 |
.0 |
.0 |
6.8
|
2019
|
24 |
0 |
24.7 |
.392 |
.388 |
.774 |
1.8 |
2.6 |
.8 |
.3 |
8.0
|
2020
|
11 |
11 |
39.1 |
.400 |
.391 |
.840 |
3.9 |
6.9 |
1.6 |
.6 |
19.6
|
2022
|
4 |
4 |
35.0 |
.352 |
.333 |
.833 |
3.0 |
6.3 |
1.8 |
1.0 |
13.8
|
通算
|
52 |
16 |
25.1 |
.391 |
.372 |
.814 |
2.2 |
3.5 |
.8 |
.3 |
10.0
|
カレッジ
シーズン
|
チーム
|
GP
|
GS
|
MPG
|
FG%
|
3P%
|
FT%
|
RPG
|
APG
|
SPG
|
BPG
|
PPG
|
2012–13
|
ウィチタステート
|
39 |
0 |
16.2 |
.386 |
.408 |
.725 |
1.8 |
2.3 |
.9 |
.1 |
4.3
|
2013–14
|
36 |
36 |
31.7 |
.484 |
.418 |
.830 |
3.9 |
5.4 |
1.9 |
.1 |
11.6
|
2014–15
|
35 |
35 |
31.5 |
.430 |
.357 |
.796 |
4.5 |
5.2 |
1.9 |
.1 |
13.6
|
2015–16
|
31 |
31 |
29.0 |
.390 |
.381 |
.817 |
3.2 |
5.5 |
1.8 |
.1 |
12.2
|
通算
|
141 |
102 |
26.8 |
.426 |
.386 |
.805 |
3.3 |
4.5 |
1.6 |
.1 |
10.2
|
脚注
外部リンク