鎖栓式の火器は基本的に薬莢が撃発時の内圧によって薬室に強く貼りつきパッキンとなることが前提の構造で、薬莢無しでは十分な密閉性が得られない。大口径砲では薬莢式にすると弾薬が大きすぎる、金属の使用量も馬鹿にならないといった問題が生じるため、弾頭と袋入りの火薬(装薬、薬嚢)を用いる場合が多く、それらの大砲は速射性は落ちるが密閉性能が高い螺旋式の閉鎖機を用いる。ラインメタル 120 mm L44のような新式の戦車砲の弾薬は撃発時に装薬とともに燃え尽きる可燃素材の薬莢を用いるが、これらも最低限パッキンとしての機能を果たす薬莢底部だけは金属製の半燃尽薬莢となっている。
McLerran, Wayne (2008). Browning Model 1885 Black Powder Cartridge Rifle: A Reference Manual for the Shooter, Collector & Gunsmith. TexasMac Publishing. ISBN 978-0-615-26561-2.