フォトン(Foton )は、フィルモやアイモなどムービー機材で知られるアメリカ合衆国のベル&ハウエルが1938年から開発を開始[1]し1948年に発売[1]したレンジファインダーカメラである。135フィルムを使用し24×36mm(ライカ)判。
モータードライブ、二重像合致式の連動距離計を内蔵し高機能である。発売当時は700ドルと高価格で大型だったためか商業的には成功せず、1949年495ドルに値下げされ、1950年には製造中止となった。製造は2,000台とも言われ[1]、現存は数百台とも言われる。
シャッターボタンはボディー前面にあり、普通のシャッターボタンの位置である巻き上げノブの横にあるシャッターボタンに見えるボタンは巻き戻しボタンである[2]。
シャッターは、マウント側から一見するとバリオ型2枚羽根に見えるが、実際には縦走り金属幕フォーカルプレーンシャッターである。シャッター速度はB、1、1/2、1/5、1/10、1/25、1/50、1/100、1/250、1/500、/1/1000秒。シャッターボタン基部のレバー操作を"Repeat"とすると連続撮影が可能になるが、そのコマ数は資料により3コマ/秒から6コマ/秒[1]までまちまちである。1回のチャージで20コマ程度は撮影できる。ゼンマイ巻き上げキーは底面にある。巻上ノブを持ち上げれば手巻きも可能[2]。
レンズマウントは専用で、標準として装着されるのはテーラー・テーラー・ホブソン製クック・アモタール・アナスチグマット (Cooke Amotal Anastigmat) 2inT2.2(F2)[3]。交換レンズにはクック・フィールド・パンクロ (Cooke Field Panchro) 4inT2.8(F2.5)[3]、クック・パンクロタール212mmF5.6[4]、クック・パンクロタール313mmF5.6[4]がある。標準レンズはピッチの細かいネジマウント、それ以外は外爪式バヨネットマウント。
ピント合わせはシャッターボタンの横にあるダイヤルで行うが、鏡胴を持って行うこともできる。コンタックスと似ているが、縦に回転する点、無限遠ロックがない点が違う[2]。
ファインダーは透視式で、それと別に二重像合致式の連動距離計を内蔵する[5]。
アクセサリーシューはホットシューになっており、専用ファインダーを取り付けてもファインダーの上にもホットシューがある[3]。
外部リンク
- Foton - Camera-wiki.org (英語)
出典
- ^ a b c d 『銘機礼賛』pp.238-239。
- ^ a b c 『クラシックカメラ専科No.50、ライカブック'99ライカのメカニズム』p.83。
- ^ a b c 『クラシックカメラ専科No.50、ライカブック'99ライカのメカニズム』p.85。
- ^ a b 『現代カメラ新書No.3、世界の珍品カメラ』p.156。
- ^ 『クラシックカメラ専科No.50、ライカブック'99ライカのメカニズム』p.82。
参考文献