『ファイアー・ダウン・アンダー』(Fire Down Under)は、アメリカ合衆国のヘヴィメタル・バンド、ライオットが1981年に発表した3作目のスタジオ・アルバム。
背景
エレクトラ・レコード移籍第1弾アルバムに当たり[2]、プロデューサーのスティーヴ・ローブによれば、1980年の時点でレコーディングが完了していたが、当時の所属レーベル「キャピトル・レコード」から「売れ線でない」という理由で発売を拒否されたため、エレクトラと契約したという[3]。「フラッシュバックス」には、ハマースミス・オデオン公演におけるニール・ケイのバンド紹介や、第1回モンスターズ・オブ・ロック出演時の歓声が挿入されている[3]。
本作を最後に、オリジナル・ボーカリストのガイ・スペランザがバンドを脱退した[2]。
反響・評価
アメリカではバンド初のBillboard 200入りを果たし、1981年10月24日付のチャートで最高99位を記録した[1]。ジェイソン・アンダーソンはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「幾つかの捨て曲もあるとはいえ、1981年のメタル・ディスクとしては最高傑作の一つで、ライオットの作品としては唯一、ジューダス・プリースト、アイアン・メイデン、(初期の)デフ・レパードといったメタル・シーンの中核をなすバンドに匹敵する」と評している[4]。
リイシュー
1997年にドイツのレーベル「High Voltage」から発売されたリマスターCDは、既にバンドと決別していたスティーヴ・ローブによる企画で、5曲のデモ音源がボーナス・トラックとして追加された[5]。その後、メタル・ブレイド・レコーズが本作および次作『レストレス・ブリード』の発売権を得て、それに伴い日本での初CD化も実現した[5]。
収録曲
特記なき楽曲はマーク・リアリとガイ・スペランザの共作。
- ソーズ・アンド・テキーラ - "Swords and Tequila" - 3:15
- ファイアー・ダウン・アンダー - "Fire Down Under" (Guy Speranza, Kip Leming) - 2:34
- フィール・ザ・セイム - "Feel the Same" (Rick Ventura) - 4:29
- アウトロー - "Outlaw" - 4:50
- ドント・ブリング・ミー・ダウン - "Don't Bring Me Down" (Mark Reale, G. Speranza, R. Ventura, K. Leming, Sandy Slavin) - 2:57
- ドント・ホールド・バック - "Don't Hold Back" - 3:15
- オルター・オブ・ザ・キング - "Altar of the King" - 4:45
- ノー・ライズ - "No Lies" (R. Ventura) - 4:10
- ラン・フォー・ユア・ライフ - "Run for Your Life" - 3:15
- フラッシュバックス - "Flashbacks" (M. Reale, G. Speranza, R. Ventura, K. Leming, S. Slavin) - 4:01
1997年リマスターCDボーナス・トラック
- "Struck by Lightning" - 3:38
- "Misty Morning Rain" (G. Speranza) - 3:08
- "You're All I Needed Tonight" (G. Speranza, R. Ventura) - 2:58
- "One Step Closer" (R. Ventura) - 2:12
- "Hot Life" (R. Ventura) - 0:25
1999年リマスターCDボーナス・トラック
- ミスティ・モーニング・レイン - "Misty Morning Rain" (G. Speranza) - 3:07
- ユア・オール・アイ・ニーディッド・トゥナイト - "You're All I Needed Tonight" (G. Speranza, R. Ventura) - 2:58
参加ミュージシャン
- ガイ・スペランザ - ボーカル
- マーク・リアリ - ギター
- リック・ヴェンチュラ - ギター
- キップ・レミング - ベース
- サンディ・スレイヴィン - ドラムス
脚注
外部リンク