ヒャクニチソウ
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花壇に咲くヒャクニチソウ
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分類
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学名
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Zinnia elegans Jacq.
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和名
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ヒャクニチソウ
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英名
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Common zinia、youth-and-old-age
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ヒャクニチソウ Zinnia elegans Jacq. はキク科の植物の1つ。和名は百日草で、開花期間が長いことによる。また、花の寿命が長いことからウラシマソウ(浦島草)やチョウキュウソウ(長久草)の別名もある[1]。英名は Common zinia、youth-and-old-age。どの名も花が長く咲くことから連想された名前となっている[2]。花が美しく、また花弁が丈夫で色あせしにくいのが特徴で、花壇に栽培され、また切り花として鑑賞される。
特徴
直立する一年生の草本[3]。茎は高さ30-90cmになり、硬くて短い毛がある。葉は対生し、楕円形で長さ4-10cm、幅3-6cm。硬い毛が生えている。葉柄がなく、基部はやや茎を抱く。
茎の先端には単独の頭状花序をつける。花序の外側には一列の舌状花(花弁に見えるもの)をつけ、これは雌性。その内側には筒状花を多数つけ、こちらは両性。いずれの花も稔性がある。舌状花は原種では赤みを帯びた紫から淡い紫。筒状花は黄色から橙色。総苞は円形、総苞片は鱗片状で上部のものは黒っぽくなる。
分布
原産地はメキシコで、これはコスモスやダリアとも同郷である[1]。
分類
ヒャクニチソウ属には南北アメリカ大陸に約15種がある。日本には分布がなく、また帰化している種も無い。栽培種としてはホソバヒャクニチソウ Z. angustifolia やヒメヒャクニチソウ Z. paucifolia などがある[4]。
利用
観賞用に栽培される。
メキシコのアステカ族が16世紀以前から栽培していた[4]。西洋での導入は、コスモスやダリアより遅れて18世紀末、スペイン経由でもたらされた。ちなみに本属のものではヒメヒャクニチソウがこれに先立ってヨーロッパに持ち込まれている。日本へは1862年(文久2年)以前に入った。品種改良も行われ、八重咲き(舌状花が複数列となるもの)のものは1856年にインドからヨーロッパに入ってフランス、イギリスで販売されるようになった[5]。、またドイツで大輪のものが作られた。20世紀になってアメリカで更に巨大輪の『カリフォルニア・ジャイアント』の名で知られるものが作り出された[6]。特に栽培適地であるカリフォルニアで育種が盛んになり、現在のような多数の園芸品種が普及する基礎となった[5]。花色も、上記のように原種では舌状花が紫、内側の筒状花が黄色系であるが、現在では青色を除いてほぼあらゆる色のものがある[7]。現在の品種では非常に多様なものがあり、大きさで小輪・中輪・大輪が、花形では万重咲き(ダリア咲き)、マツムシソウ咲き、ねじれ咲きなどが知られ、花色としても紅、オレンジ、黄色、クリーム色、白、藤色、紫など、さらに花弁に斑点があるものや条線が入るものなどもある。また鉢植えやプランター栽培向けの矮性品種も作られている[8]。
春に種を蒔いて夏から秋まで花が観賞できる。直射日光、高温を好み、乾燥にも強い。また切り花としても夏でも花持ちがよいため、日本では仏前花として全国に広まったものである[9]。
開花中のヒャクニチソウは、「フジコナカイガラクロバチ」を多く誘引する[10]。このハチは、柿果実にすす病や、火ぶくれ症といった被害を及ぼす重要害虫「フジコナカイガラムシ」の主要な土着天敵であることから、柿園にヒャクニチソウの苗を植え、フジコナカイガラムシの発生を抑制する取り組みが行われている[10]。
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花形の色々
一重咲き
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二重咲き
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八重咲き
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舌状花が筒状に変形したもの
出典
- ^ a b 横井(1997),p.138
- ^ 瀧井康勝『366日 誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、360頁。
- ^ 以下、主として園芸植物大事典(1994),p.1132
- ^ a b 園芸植物大事典(1994),p.1132
- ^ a b 園芸植物大事典(1994),p.1134
- ^ 横井(1997),p.138-139
- ^ 園芸植物大事典(1994),p.1133
- ^ 堀田他編(1989),p.1123
- ^ 横井(1997),p.139
- ^ a b “ヒャクニチソウを用いたカキ園の点滴温存型管理技術”. 生物の多様性を維持する果樹・茶の管理技術. NARO 農研機構. pp. 8-9. 2024年12月22日閲覧。
参考文献
- 横井政人、「ヒャクニチソウ」:『朝日百科 植物の世界 1』、(1997)、朝日新聞社:p.138-141
- 『園芸植物大事典 2』、(1994)、小学館
- 堀田満他編、『世界有用植物事典』、(1989)、平凡社
外部リンク