『パリのアメリカ人』(パリのアメリカじん、An American In Paris)は、アメリカ映画『巴里のアメリカ人』を原作として劇団四季が制作および上演するミュージカル作品である。
概要
2017年5月31日に上演決定が発表され、同年9月に出演バレエダンサーの公開オーディションを開催した[1]。2018年9月3日には東京都港区で制作発表会見を開き、ジェリー・マリガン役に酒井大・松島勇気・吉岡慈夢・高橋伊久磨、リズ・ダッサン役に石橋杏実・近藤合歓・篠原真梨子、アダム・ホックバーグ役に斎藤洋一郎・俵和也・神永東吾、アンリ・ボーレル役に小林唯・加藤迪・山下啓太、マイロ・ダヴェンポート役に岡村美南・宮田愛・加藤あゆ美、マダム・ボーレル役に秋本みな子・佐和由梨、ムッシュー・ボーレル役に味方隆司・増田守人、オルガ役に木村智秋・大岡紋、Mr.Z役に金久烈・荒木啓佑がそれぞれ出演候補キャストとして発表された[2]。
あらすじ
ナチス・ドイツによるフランス占領が終わり、自由が戻りつつあるパリ。絵を愛好するアメリカのGIジェリー・マリガンは、帰国せずにパリに残ることを決心する。ジェリーはナチス狩りや女性への暴行等、まだ治安の悪い街で、一人の女性を助け心惹かれる。
ジェリーは、あるカフェに入ると、そこには足に後遺症が残る元GIのアダム・ホックバーグが、ピアニストとして居候していた。そのカフェには、親の反対を押し切って歌手を目指すフランス人アンリ・ボーレルも常連だった。芸術を愛する三人の青年は、すぐに意気投合する。
ジェリーはアダムの紹介で、彼が伴奏をするバレエ団のオーディションを見に行く。バレエ団は、ボーレル夫妻がパトロンを務め、さらに米国人のマイロ・ダヴェンポートが新たに出資をしようとしていた。そこにリズ・ダッサンが遅刻して現れる。しかしリズはアダムの助言と才能により、オーディションで選抜される。ジェリーは、リズが心惹かれた女性だと気付く。マイロは、リズの舞踊、アダムの音楽、そしてジェリーの舞台美術を条件に、バレエ団への出資を決める。
ジェリーはリズに言い寄り、やがて彼女を『ライザ』と呼んでその心を開くと、セーヌ川のほとりで毎日会う約束をする。リズの抜擢を何より喜んだのはマダム・ボーレルで、ひとり息子のアンリにリズへの求婚を勧める。リズは恩義のあるボーレル一家と、ジェリー、そしてバレエの間で心揺れる。さらに、バレエのレッスンを通じて、アダムとも心を通わせる。かくして三人の青年は、それぞれに愛する女性と相思相愛になったと思い込み、有頂天になる。
三人とリズ、そしてジェリーのパトロンとなったマイロは、バレエ団のパーティで鉢合わせ、事態に気が付く。そんな中、マダム・ボーレルはアンリとリズの婚約を、強引に発表する。リズへの想いが巡る中、ジェリーはマイロの愛と出資を断り、アンリも両親から自立しようとする。やがて、アンリとボーレル家に対する誤解は解け、アダムもついに曲を書き上げる。
いよいよ新作バレエの初演の日、リズは極度の緊張状態にあった。マイロは楽屋を訪ね、リズにジェリーからの手紙を手渡す。いよいよ本番のバレエが始まった。リズは心の中にジェリーを思い浮かべ、彼と一体になったかのように素晴らしい舞踊を披露する。作品は大成功で、アダムも『パリのアメリカ人』として名声を得る。だがジェリーとアダムは、リズの才能の前に、彼女は音楽と共に生きる人だと身を引く。アンリもまた、彼女への愛情から、彼女をボーレル家に対する恩義で拘束するのをやめる。
セーヌ川のほとり、いつものようにジェリーが彼女を待っている。そこに満面の笑みとともにリズが現れる。二人は肩を寄せ合い、お互いの愛情を確かめ合うのだった。
スタッフ
日本スタッフ
キャスト
メインキャスト
※太字はオリジナルキャスト
アンサンブルキャスト
※太字はオリジナルキャスト
上演記録
脚注
外部リンク