『バルジ大作戦』(Battle of the Bulge)は、第二次世界大戦末期のバルジの戦いを描いたアメリカ映画。1965年に公開された。
概要
第二次世界大戦末期の1944年12月にドイツ軍がアメリカ軍に対してドイツ側名称「ラインの守り」作戦で大攻勢をしかけ、戦車での戦いで激戦となったバルジの戦いをドイツ軍とアメリカ軍の両方の動きを描いている。
監督はケン・アナキン。ヘンリー・フォンダ 、ロバート・ライアン 、チャールズ・ブロンソン 、テリー・サバラス 、ロバート・ショウ らが出演。特に戦車部隊を扱った米国製映画としては、最優秀作品と評価される。
- 日本での公開
1966年4月1日にテアトル東京・大阪OS劇場でロードショー公開され、配給収入3億9,000万円を上げた。テレビの初放映は10月14日・21日に日曜洋画劇場で前後編に分けて放送された。
登場人物
アメリカ軍
ドイツ軍
その他
キャスト
エピソード
- 当時のスペイン陸軍の装備を借りてロケしたため、登場する戦車等は実際のドイツ軍とは著しく違うものの、台数が(ソ連の映画『ヨーロッパの解放』程ではないが)非常に多く、最後の戦車部隊同士の決戦は見もの(ドイツのティーガーII戦車の役はM47パットン戦車、アメリカのM4中戦車の役はM24軽戦車が務めた。ただし史実ではこの「バルジの戦い」がM24の初陣ではあり、M47がティーガーIIを演じるほど変な話ではない)。
- 雪の中の戦いであったはずが撮影地がスペインだったため、後半は砂漠の様な地形(おそらくスペイン軍の演習地)になってしまっている。実際の戦史とはかけ離れているフィクションも多く、隠居生活を送っていたアイゼンハワー元大統領が公式に抗議声明を出したほどである。
- この戦いで偶発的に発生した事件である『マルメディの虐殺』が計画的犯行のように描かれている。
- 連合軍将校で戦友を演じるフォンダとブロンソンは3年後 、セルジオ・レオーネ監督の西部劇『ウエスタン』では敵対関係で再共演を果たしている。
- 収録時間の問題でVHS、LD等では141分に短縮されていたが、現在発売中のDVDでは167分の完全版で収録されている。
戦車の歌(パンツァー・リート)
この映画の前半に、アメリカ軍に攻勢をかける前にドイツ軍ヘスラー大佐(ロバート・ショウ)が戦車兵を訪ねる場面がある。そこで居並ぶ戦車兵たちの若さに不安を覚える大佐に対し、戦車兵らが自ら士気を奮い立たせるため「パンツァー・リート」(戦車の歌)を合唱するシーンはこの映画で最も記憶されている。元はドイツの歌だが、戦後フランス軍や他の軍隊でも歌われ、日本でも陸上自衛隊の音楽隊が演奏している。
脚注
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)231頁
関連項目
外部リンク