ナポリ地下鉄 (Metropolitana di Napoli ) は、 ナポリ 市の公共鉄道網を示す名前である。8路線の地下鉄 と4路線のケーブルカー で成り立っている。
概要
「1号線 」と「6号線 」はメトロナポリ から引き継いだANM により運営される路線であり、狭い意味でもナポリ地下鉄はこの路線を示す。さらに、EAV が運営するアルコバレーノ線 (イタリア語版 ) と1925年にイタリア初の地下鉄路線として完成したナポリ通過線 を使い、トレニタリア が運営(設備はRFI )する2号線 もナポリ地下鉄の路線に加える場合が多い。
一方、3号線 と4号線 は、EAV による運営で、チルクムヴェズヴィアーナ鉄道 として知られる。5号線 とクマーナ線 (イタリア語版 ) の一部区間を使って建設中の7号線 はSEPSA により運営されている。3号線、4号線、5号線はナポリ地下鉄の数字があてられているもののナポリ地下鉄の路線網に完全には統合はされていない。
その他、8号線 や9号線 や10号線 と言った地下鉄新線、既にある路線の延長も建設中または計画中である。
また、各丘陵地区と市の中心とを結ぶ4本のケーブルカーも全てANMによる運営である。
鉄道網はカンパーニア州 により「Agenzia Campana per la Mobilità Sostenibile」(カンパーニア交通維持会社)を通じて調整されている。その料金統合はイタリアで最も進んでおり、「Consorzio UnicoCampania」(ウニコカンパーニア組合)により運営されている。
路線
1号線
ナポリ地下鉄 1 は、市における最初の専用区間の地下鉄で、「コッリナーレ」(山手線)とよばれ、市の中心とヴォーメロ地区や医療地区、ピシノーラ 地区に至るまでの山手地区とを結んでいる。数年にわたって駅を追加し1993年 にはそれらは完成し、現在の14駅に達した。現在はダンテ から中央駅 付近のガリバルディ に至る区間と、ピシノーラ からカポディキーノ空港 までの区間を建設中である。
さらには、建設中のアエロポルト駅 (空港駅)からガリバルディ広場までの路線延長を計画中で、これで本来の環状となる。
ダンテからムゼーオ 、マテルデイ 、サルヴァトール・ローザ 、ヴァンヴィテッリ といった多くの駅が「芸術の駅」計画に参加している。
サルバドール・ロサとモンテドンツェリの間は、急勾配区間であるのでループ線 である。急峻な崖のためにコリアミネイ駅の北側は、地下線が突然かなりの高架線となる。
2号線
トレニタリア による運営。
3号線
チルクムヴェスヴィアーナ鉄道 による運営。
4号線
チルクムヴェスヴィアーナ鉄道 による運営。
5号線
SEPSA による運営。
6号線
ナポリ地下鉄 6号線 は、2007年に竣工し、メトロナポリ により運営されていたが、解体後はANMによる運営となっている。路線はフオリグロッタ 区とメルジェッリーナ 地区の駅 付近とを結ぶ。路線は続いてナポリ中心部に到達する予定。
「軽量軌道交通」の区間として建設され、フオリグロッタから市の東周辺部のポンティチェッリ 付近を繋ぐ為に1980年代に高速路面電車として計画された。しかし建設作業は終了せず、長い変遷があった後に既存部分を利用して新たな工事を行った上で地下鉄路線として造ることに決定した。
現在、路線は4駅があり、メルジェッリーナ からムニチーピオ までの延長と2駅の増設工事が行われている。
全ての駅が「芸術の駅」計画に参加している。
7号線
建設中
アルコバレーノ線
2005年開通。EAVによる運行。
計画中
アルファーナ・バッサ
アリファーナ鉄道 は、ナポリとサンタ・マリーア・カープア・ヴェーテレ を結んでいた。正確にはアリファーナ・バッサ線といい、サンタ・マリーア・カープア・ヴェーテレとピエディモンテ・マテーゼ とを結ぶ「アルファーナ・アルタ線」との区別のためにこう呼ばれていたが、過密が原因で行われた再近代化作業のために閉鎖(その作業は未だに実現されずに鉄道設備は撤去されたまま)されていた。
この鉄道線は、Liena 1のピシノーラ駅を出発し、カンパーニア州都とアヴェルサ(2009年)とサンタ・マリーア・カープア・ヴェーテレ(2011年 )までの北の連帯都市の残りとを繋げるような本当の県間鉄道、都市型(Linea 1と同じ電車の共有)の技術を使った地下鉄事業として提供を行う為に全線の互換を行う苦労を強いられている。その間にも、同路線はカポディキーノ空港を経てガリバルディ広場に至るチェントロ・ディレツィオナーレ方面へ延長しLinea 1 の輪を閉じる予定である。また、ピシノーラからガリバルディの区間では、Linea 1 とアリファーナが同じ区間を共有する。ピシノーラからムニャーノ(駅一つだけ)の区間のみだけ北側への延伸工事が終わっている。
路線はアリファーナ・アルタとナポリ=カンチェッロ=ベネヴェント線を運営している会社メトロカンパーニア・ノルドエスト により運営される予定である。
路線図ギャラリー
その他事業
中央鋼索線
ナポリ地下鉄網には地下鉄とは異なった交通機関も含まれている。4つのケーブルカー と3つのエレベーター である。
ケーブルカー
ケーブルカーの路線は全て市内にあり10分から15分ほどの間隔で運行されている。
エレベーター
ナポリには3基のエレベーターがあり、高低差の異なる道路をより快適に結ぶのに貢献している。
全てのエレベーターは街の中心部にある。
芸術の駅
ムゼーオ駅 にあるファルネーゼのヘラクレス 像
様々な地下鉄路線の建設さらには各駅の開設において「芸術の駅」 (Stazioni dell'Arte) 計画が提案された。これは彫刻、モザイク、装飾用パネルなどを駅の装飾として芸術の場所を与えることである。
外部リンク