ナッソー郡(ナッソーぐん、英: Nassau County)は、アメリカ合衆国フロリダ州の北東隅に位置する郡である。2010年国勢調査での人口は73,314人であり、2000年の57,663人から27.1%増加した[1]。郡庁所在地はフェルナンディナビーチ市(人口11,487人[2])である。
ナッソー郡はジャクソンビル大都市圏に属している。
歴史
ナッソー郡は1824年にデュバル郡から分離して設立された。郡名はドイツのナッサウ公国から採られた。
地理
アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、郡域全面積は725.86平方マイル (1,880.0 km2)であり、このうち陸地651.55平方マイル (1,687.5 km2)、水域は74.30平方マイル (192.4 km2)で水域率は10.24%である[3]。水域の大半は大西洋である。郡庁所在地のフェルナンディナビーチは、郡内の人が住む島の1つであるアメリア島にある。
地形
郡内には12の特徴ある地形地域がある。その多くは北から南に細い帯状で伸びている。
- 西のベイカー郡に接する地域、地形はかなり平坦だが、いくらか標高が高くなっている、排水が悪く土壌は砂質である
- その東側、北部と中部に標高の高い場所があり、排水は良い
- その東側の低地、特に南部は平坦だが排水が極めて悪い
- さらに東側、最北部の幅は数マイル、南部の幅は6マイルから8マイル (10-13 km)、ヒリアードの町と郡道108号線、州道301号線が含まれる、排水が大変悪く、低地であり、かなり砂質の土壌である
- その東側、標高が高く砂質で排水の悪い土地が散らばる
- その東側、キャラハンの町があり、表土は砂の多い土壌、その下に粘土、この地域は小さなクリークや川が多く、排水のわるい土壌を低地に運んでいる、郡の北から南まで全長に伸びており、北部では幅が8マイル (13 km) ほどあるが、その他は3マイルから4マイル (5-6 km) ほどである
- その東側、幅約8マイル (13 km) の比較的大きな地域、低く平坦で排水が極めて悪い、小さなクリークや川が多い、北部では支流がセントメアリーズ川に合流し、南部では多くの支流がナッソー川に入り、それがナッソー・サウンドと大西洋に注ぐ
- その東側、幅約3マイル (5 km)、極めて砂質で排水も悪い
- さらに東側、ユーリーやオニールの町がある広い地域、幅は約4マイル (6 km)、標高が高い場所は排水が悪く砂質、さらに排水の悪い大きな窪みがある
- その南部、低地で有機土壌、ナッソー川の北岸は湿地で、ナッソー・サウンドまで続く
- さらに東と幾分北、大きな湿地と有機土壌、小さな島が多く、ベルズ川とジョリー川が流れ、北のカンバーランド島下流でカンバーランド・サウンドに注ぐ
- アメリア島、郡の最東端、西部は排水が悪く、東の海浜に向かうと排水が良く、標高の高い砂質の土地、島の北部は塩水湿地がイーガン・クリークを囲み、フェルナンディナビーチでアトランティック・ブールバードの下に入る
交通
自動車専用道路
表面道路
- アメリカ国道1号線(ニュー・キング道路)
- アメリカ国道17号線
- アメリカ国道23号線
- アメリカ国道90号線(ノースビーバー道路)
- アメリカ国道301号線
- フロリダ州道A1A号線
- フロリダ州道2号線(クロウフォード道路)
- フロリダ州道15A号線(ミックラー通り)
- フロリダ州道108号線(リバー道路/ブランディーズ・アベニュー/ドクター・マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・アベニュー)
- フロリダ州道115号線(レム・ターナー道路)
- フロリダ州道119号線
- フロリダ州道200号線(バッカニア・トレイル)
隣接する郡
郡政府
ナッソー郡は5人の委員による郡政委員会が統治している。選挙で選ばれる委員の任期は4年間である。選挙は2年毎に行われ、3人または2人が交互に改選される。
環境と農業に関わる主要団体がナッソー郡土壌・水保護地区であり、地域の他の機関と密接に連携している。
警察機能はナッソー郡保安官事務所が担当している。
経済
ナッソー郡の経済は大変多様であり、西部と中部の農業(大半は果樹栽培)から、アメリア島近くでは多様になってくる。果樹栽培に使われる土地の多くは地域の主要雇用主であり、ファーナンディナビーチの大規模パルプ工場を所有するレイオニアが所有している。昔から果樹栽培、運送、パルプ生産が地域経済の大きな部分を占めてきた。しかし、西部の田園地帯にある小さな町で広範な成長が起きており、住宅建設市場は今も協力である。フェルナンディナビーチは不動産、法律関連サービス、医療など専門的職種で以前から知られており、またリッツ・カールトン・ホテルとアメリアアイランド・プランテーションという2つの大型リゾート地にも近い。郡中央ではホワイトオーク・プランテーションと呼ばれる民間の大きな土地があり、かつては動物園を運営した富裕な家族が所有していた。そこではシマウマや大きなシロ猫など外来の動物が飼われていた。元大統領のビル・クリントンなど多くの著名人物がこのリゾート地にきて余暇を過ごした。
人口動態
人口推移
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年 |
人口 |
|
%±
|
1840 | 1,892 | | — |
1850 | 2,164 | | 14.4% |
1860 | 3,644 | | 68.4% |
1870 | 4,247 | | 16.5% |
1880 | 6,635 | | 56.2% |
1890 | 8,294 | | 25.0% |
1900 | 9,654 | | 16.4% |
1910 | 10,525 | | 9.0% |
1920 | 11,340 | | 7.7% |
1930 | 9,375 | | −17.3% |
1940 | 10,826 | | 15.5% |
1950 | 12,811 | | 18.3% |
1960 | 17,189 | | 34.2% |
1970 | 20,626 | | 20.0% |
1980 | 32,894 | | 59.5% |
1990 | 43,941 | | 33.6% |
2000 | 57,663 | | 31.2% |
2010 | 73,314 | | 27.1% |
[4][5][6] |
以下は2000年の国勢調査による人口統計データである。
基礎データ
- 人口: 57,663人
- 世帯数: 21,980 世帯
- 家族数: 16,528 家族
- 人口密度: 34人/km2(88人/mi2)
- 住居数: 25,917軒
- 住居密度: 15軒/km2(40軒/mi2)
人種別人口構成
先祖による構成
- イギリス系:36.2%
- アイルランド系:13.6%
- ドイツ系:11.7%
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年齢別人口構成
- 18歳未満: 25.0%
- 18-24歳: 7.2%
- 25-44歳: 28.8%
- 45-64歳: 26.3%
- 65歳以上: 12.6%
- 年齢の中央値: 38歳
- 性比(女性100人あたり男性の人口)
世帯と家族(対世帯数)
- 18歳未満の子供がいる: 32.8%
- 結婚・同居している夫婦: 61.2%
- 未婚・離婚・死別女性が世帯主: 9.9%
- 非家族世帯: 24.8%
- 単身世帯: 20.1%
- 65歳以上の老人1人暮らし: 7.7%
- 平均構成人数
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収入
収入と家計
- 収入の中央値
- 世帯: 46,022米ドル
- 家族: 52,477米ドル
- 性別
- 男性: 37,027米ドル
- 女性: 25,443米ドル
- 人口1人あたり収入: 22,836米ドル
- 貧困線以下
- 対人口: 9.1%
- 対家族数: 6.4%
- 18歳未満: 10.9%
- 65歳以上: 8.9%
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都市と町
法人化自治体
未編入の町
- アメリアシティ
- アメリカンビーチ
- アンドリュース
- ベッカー
- ブーローニュ
- ブライスビル
- チェスター
- クランドール
- クロウフォード
- ダホマ
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- ダイアル
- エバーグリーン
- フランクリンタウン
- グレンウッド
- グロス
- ヘッジズ
- ヒーロー
- イングル
- イタリア
- キーン
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- ケント
- キングスフェリー
- レッシー
- マトックス
- ナッソービレッジ・ラトリフ
- ナッソービル
- オニール
- ベルディ
- ユリーハイツ
- ユリー
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教育
ナッソー郡教育学区
幼稚園前
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幼稚園
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1年生
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2年生
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3年生
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4年生
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5年生
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6年生
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7年生
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8年生
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9年生
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10年生
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11年生
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12年生
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ブライスビル小学校
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キャラハン中学校
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西ナッソー郡高校
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キャラハン小学校
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キャラハン中学校
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ヒリアード小学校
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ヒリアード中学・高校
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ユリー 予備校
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ユリー小学校
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ユリー中学校
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ユリー高校
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サウスサイド小学校
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エンマ・ラブ・ハーディ小学校
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フェルナンディナビーチ中学校
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フェルナンディナビーチ高校
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私立学校
- セントミカエルズ・アカデミー(幼稚園前から8年生)、フェルナンディナビーチ
フロリダ州立カレッジジャクソンビル校が設立運営するベティ・クック・センターが様々な学位取得教育を行っている。
メディア
郡内では3つの新聞が発行されている。最大のものは「フェルナンディナビーチ・ニューズ・リーダー」であり、トム・ウッドとディンク・ネスミスが経営するメディア会社のコミュニティ・ニューズペーパーズ社が所有している。「ナッソーカウンティ・レコード」もコミュニティ・ニューズペーパーズ社が所有している。どちらも定期購読、あるいは新聞販売店で入手できる。「ウェストサイド・ジャーナル」は独立系新聞であり、フロリダ・サン・プリンティングが発行し、郵送によりまた通常はコピーを無料で入手できる。
著名な出身者
歴史的な場所
- ホイト邸、フェルナンディナビーチ
- ナッソー郡庁舎、フェルナンディナビーチ
- アメリカ合衆国郵便局、税関、郡庁舎、フェルナンディナビーチ
脚注
参考文献
- Jan H. Johannes, Yesterday's Reflections, (1976, 1984)
- Jan H. Johannes, Yesterday's Reflections II, (2000) ISBN 0-9677419-0-4
- Jan H. Johannes, Tidewater Amelia: Historic homes & buildings of Amelia Island, Cumberland Island, St. Marys, Fort George Island, (2002) ISBN 0-9677419-2-0
外部リンク
経済
メディア
文化
政府関連
特殊地区
司法関連
座標: 北緯30度37分 西経81度46分 / 北緯30.61度 西経81.77度 / 30.61; -81.77