デルツバッハは、2001年に „Unser Dorf soll schöner werden“(『我らの村こそ美しい』)コンテストの金メダルを獲得している。
ザンクト・ヴェンデル・ツゥム・シュタイン
デルツバッハとホーエバッハの間にザンクト・ヴェンデル・ツゥム・シュタイン(岩の聖ヴェンデル)礼拝堂がある。現在の建物は、前身となったロマネスク様式の礼拝堂があった場所に、ウルズラ・フォン・ベルリヒンゲンの依頼により、1511年から1515年に新しく建設された後期ゴシック様式の巡礼礼拝堂で、三代目となる建築である。1478年にはすでに、バッヒェンシュタイン家の所領台帳に『岩の礼拝堂』が記録されている。初代の礼拝堂は、現在の礼拝堂の上にある巨大な岩の洞窟内に6世紀に設けられたと考えられている。その痕跡は現在も遺されており、見学することができる。伝説では、ある羊飼いがここで財宝を見つけ、神への感謝に礼拝堂を建設したとされている。キリスト教以前、ここには、泉と木と岩からなるケルトの泉の聖域があった。教皇グレゴリウス1世の命令で、異教の宗教施設をキリスト教の礼拝施設に献ずることとなった。6世紀にアイルランドおよびスコットランドの修道士らによって南ドイツ全域に布教活動が行われた。ヴェンデリン(聖ヴェンデル)もそうした一人であった。彼は、この地方を移動しながら布教に励み、現在も牧人と家畜の群れの守護聖人とされている。1997年からは、保護協会がこの礼拝堂の保全・維持を行っている。シュヴァーベンのローマ教会に属す主任司祭オットマール・シェーンフートは、1837年にこの礼拝堂の上にある森の野原で五月祭を開催し、これ以後現在も、子供祭として毎年開催されている、この礼拝堂は近年参拝者が増加しつつある。2006年の夏にヤクスト渓谷中流域に "Pfade der Stille" (『静寂の小径』)が整備されたが、聖ヴェンデル礼拝堂はそのデルツバッハの区間に組み込まれている。