デイド郡(デイドぐん、英: Dade County)は、アメリカ合衆国ジョージア州の北西隅に位置する郡である。2010年国勢調査での人口は16,633人であり、2000年の15,154人から9.8%増加した[1]。郡庁所在地はトレントン(英語版)(人口2,301人[2])であり、同郡で人口最大の都市でもある。
デイド郡はテネシー州に跨るチャタヌーガ大都市圏に属している。
1860年、デイド郡はジョージア州ばかりでなく、アメリカ合衆国からも脱退したが、その脱退は法的な効力を持つことは無かった。1945年、郡は象徴的なことながらジョージア州ならびにアメリカ合衆国に再加盟した[3]。
歴史
デイド郡は1837年に設立され、郡名は1835年12月にセミノール族インディアンによるデイド虐殺で殺されたフランシス・ラングホーン・デイド少佐に因んで名付けられた。
郡最初の開拓者はジョージアの土地抽選で当選した者達であり、コークスと石炭の鉱山にきて働いた。
デイド郡に州内の道路が繋がったのは、州が1939年にクラウドランド・キャニオンを購入したときだった。それまではアラバマ州とテネシー州からのみ郡内に入る道があった。
1955年にカリフォルニア州で設立されたコブナント・カレッジは、その1年後に新しい施設に拡張する必要が生じた。数人の教授がカレッジをミズーリ州セントルイスに移転するために働き、そこで8年間成長していたが、さらに1964年、その施設に比して大きくなりすぎ、ルックアウトマウンテンに移転した。
デイド郡は南北戦争のときに、短期間だったが州からの分離運動が起こった。デイド郡はアメリカ合衆国からの脱退を望んだが、ジョージア州は慎重だった。伝説に拠れば、1860年、郡民は州が合衆国から脱退するのを待ちきれず、単純に自分達だけで脱退した。1945年7月4日、デイド郡が合衆国に再加盟することを祝うハリー・S・トルーマン大統領からの電報が読み上げられた。しかし、歴史家はデイド郡がジョージア州と共に脱退し、州と共に再加盟したと考えている[4][5]。
地理
アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、郡域全面積は174.16平方マイル (451.1 km2)であり、このうち陸地173.98平方マイル (450.6 km2)、水域は0.18平方マイル (0.47 km2)で水域率は0.10%である[6]。
主要高規格道路
州間高速道路
アメリカ国道
ジョージア州道
- ジョージア州道58号線
- ジョージア州道136号線
- ジョージア州道157号線
- ジョージア州道189号線
- ジョージア州道299号線
- ジョージア州道301号線
- ジョージア州道406号線
- ジョージア州道409号線
隣接する郡
保護地域
- チカマウガ・チャタヌーガ国立軍事公園(部分)
- クラウドランド・キャニオン州立公園
人口動態
人口推移
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年 |
人口 |
|
%±
|
1840 | 1,364 | | — |
1850 | 2,680 | | 96.5% |
1860 | 3,069 | | 14.5% |
1870 | 3,033 | | −1.2% |
1880 | 4,702 | | 55.0% |
1890 | 5,707 | | 21.4% |
1900 | 4,578 | | −19.8% |
1910 | 4,139 | | −9.6% |
1920 | 3,918 | | −5.3% |
1930 | 4,146 | | 5.8% |
1940 | 5,894 | | 42.2% |
1950 | 7,364 | | 24.9% |
1960 | 8,666 | | 17.7% |
1970 | 9,910 | | 14.4% |
1980 | 12,318 | | 24.3% |
1990 | 13,147 | | 6.7% |
2000 | 15,154 | | 15.3% |
2010 | 16,633 | | 9.8% |
U.S. Decennial Census |
以下は2000年の国勢調査による人口統計データである。
基礎データ
- 人口: 15,154人
- 世帯数: 5,633 世帯
- 家族数: 4,264 家族
- 人口密度: 34人/km2(87人/mi2)
- 住居数: 6,224軒
- 住居密度: 14軒/km2(36軒/mi2)
人種別人口構成
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年齢別人口構成
- 18歳未満: 23.8%
- 18-24歳: 11.8%
- 25-44歳: 27.8%
- 45-64歳: 24.5%
- 65歳以上: 12.0%
- 年齢の中央値: 36歳
- 性比(女性100人あたり男性の人口)
世帯と家族(対世帯数)
- 18歳未満の子供がいる: 33.3%
- 結婚・同居している夫婦: 62.7%
- 未婚・離婚・死別女性が世帯主: 9.5%
- 非家族世帯: 24.3%
- 単身世帯: 21.7%
- 65歳以上の老人1人暮らし: 8.2%
- 平均構成人数
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収入
収入と家計
- 収入の中央値
- 世帯: 35,259米ドル
- 家族: 39,481米ドル
- 性別
- 男性: 31,534米ドル
- 女性: 21,753米ドル
- 人口1人あたり収入: 16,127米ドル
- 貧困線以下
- 対人口: 9.7%
- 対家族数: 7.5%
- 18歳未満: 7.4%
- 65歳以上: 12.5%
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4分の1ドル硬貨論争
ジョージア州4分の1ドル硬貨が発行されてから間もなく、その明らかなミスに関してデイド郡が注目された。この硬貨の図柄にあるジョージア州の輪郭が北西隅にあるデイド郡を外した形になっていた。デイド郡がジョージア州から脱退したこともあり、意図的に外されたという意見もあった[7]。
水争い
デイド郡は、テネシー川流域開発公社の造ったニッカジャック・ダムでできたニッカジャック湖の直ぐ南にある。ラニア湖やアラトゥーナ湖の水を使っているアトランタ市は、その水量を補うためにニッカジャック湖の水も望んだ。ジョージア州の政治家は、テネシー・ジョージア州境が欠陥のあった1818年の測量に基づいて引かれており、ジョージア州の北州境をテネシー川の直ぐ手前にしてしまったので、これを変えたいと望んだ[8][9]。
都市と町
脚注
- ^ Quickfacts.census.gov - Dade County Archived 2011年7月9日, at WebCite - accessed 2011-12-06.
- ^ American FactFinder - Trenton, Georgia - accessed 2011-12-06.
- ^ Dade County, Georgia. “The State Of Dade”. Dade County, Georgia. 4 April 2012閲覧。
- ^ “The Dade County Sentinel, The Independent State Of Dade Is Fixin' To Rise Again”. Dadesentinel.com. 2012年12月22日閲覧。
- ^ See Coulter, E. Merton. "The Myth of Dade County's Seceding from Georgia in 1860." http://www.rootsweb.ancestry.com/~gadade/resources.htm
- ^ “Census 2010 U.S. Gazetteer Files: Counties”. United States Census. 2011年11月5日閲覧。
- ^ “Georgia quarters are really quite peachy, but not in Dade County”. Valuable-coin-stories.com. 2012年12月22日閲覧。
- ^ Bluestein, Greg - Forgotten Ga. county now in spotlight over water rights. Associated Press, April 28, 2008
- ^ Shearer, Lee - Tennessee-Georgia border dispute derided. The Athens Banner-Herald, March 3, 2008
外部リンク
座標: 北緯34度51分 西経85度30分 / 北緯34.85度 西経85.50度 / 34.85; -85.50