ソッド語(ソッドご、英: Soddo)とはエチオピアで話されているグラゲ諸語(英語版)に属する言語の一つである。〈キリスト教徒〉を意味する話者の自称ክስታኔ(kəstane)にちなみクスタネ語(クスタネご、英: Kistane)とも称される。近い系統にある言語としてはチャハ語(英語版)が挙げられる。
音韻論
母音
このうちäには異音[å]が、əには異音[ŭ]が存在する[4]。
子音
なお/ʔ/が/kʼ/の変種として現れる場合もある[4]。
形態論
代名詞
人称代名詞には一人称を除き男性と女性の区別が存在する。これは動詞の活用についても当てはまる。
ソッド語の人称代名詞
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単数
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複数
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一人称
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(ädi)
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እኝ əɲɲa
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二人称
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男性
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(dähä)
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ደህም dähəm
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女性
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ደሽ däʃ
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ደህማ dähma
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三人称
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男性
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ኳ kʷa
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ክነም kənnäm
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女性
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ኪያ kya
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ክነማ kənnäma
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なお、このうち一人称複数のəɲɲaはソッド語話者についてのみ用いられる[2]。
名詞
複数形は接尾辞を付加してつくる。また英語のtheに相当する限定の要素も接尾辞-iにより表す。
以下、/bajj/ 〈子供〉を例に挙げる。
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単数
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複数
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非限定
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限定
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非限定
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限定
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ባይ /bajj/
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ባዪ /bajji/
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ባዮች /bajjot͡ɕt͡ɕ/
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ባዮቺ /bajjot͡ɕt͡ɕi/
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直訳
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子供
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その子供
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子供ら
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その子供ら
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動詞
動詞には完了と不完了の区別が存在する。
統語論
語順
SOV型である[2]。
脚注
- ^ Girma A. Demeke, የአማርኛ ምድብ ተውላጠ ስሞች ታሪካዊ ቅኝት.
- ^ a b c 柘植(1989)。
- ^ a b Lewis et al. (2015).
- ^ a b Leslau (1968:6).
- ^ Leslau (1968)ではそれぞれž, šと、柘植(1989)ではそれぞれʒ, ʃと記載。ここでは前者の指定に忠実な記号を示した。
- ^ Leslau (1968)ではそれぞれǧ, čと、柘植(1989)ではそれぞれdʒ, tʃと記載。ここでは前者の指定に忠実な記号を示した。
- ^ Leslau (1968)ではč̣、柘植(1989)ではtʃʼと記載。ここでは前者の指定に忠実な記号を示した。
参考文献
- Leslau, Wolf (1968). Ethiopians Speak: Studies in Cultural Background III. Soddo. Berkeley & Los Angeles
- Lewis, M. Paul; Simons, Gary F.; Fennig, Charles D., eds. (2015). Ethnologue: Languages of the World (18th ed.). Dallas, Texas: SIL International.
- 「ソッド語」 亀井孝、河野六郎、千野栄一 編、柘植洋一 他共著 『言語学大辞典』第2巻、三省堂、1989年。ISBN 4-385-15216-0
外部リンク
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