ストロンボリ島(ストロンボリとう、イタリア語: Isola di Stromboli, シチリア語: Struògnuli, 古代ギリシア語: Στρογγύλη Strongulē) は地中海のティレニア海にある島で、エオリエ諸島に属す。行政的にはシチリア州メッシーナ県リーパリに属する。火山島であり、ストロンボリ式噴火の名前の由来にもなっている。
概要
ストロンボリ島には400人近くが居住する。北東部に島と同名のストロンボリ、ピシタ(Piscità)、サン・バルトロ(San Bartolo)とサン・ヴィンチェンツォ(San Vincenzo)、南西部にジノストラ(英語版、イタリア語版)というフラツィオーネ(分離集落)がある。北東部とジノストラの間の移動は、海岸に道がないことから船に頼っている。
島の北東3km近くにはストロンボリッキオ島(英語版、イタリア語版)という小島があり、これはストロンボリが活動する前に存在した火山の名残(岩頸である)。この小島には海軍の灯台が建っているが現在は無人で、立ち入り禁止となっている。
-
-
ストロンボリ町のスカーリ桟橋付近から
-
ストロンボリ町
-
ストロンボリッキオ島とストロンボリの街並
-
ストロンボリッキオ島
火山
火山島であるストロンボリ島の火山体は海面下にも2000mも続く。火山活動を始めてから1万3000年ほどと推測され、北西部には3回山体崩壊を起こした跡のシャーラ・デル・フオーコ(Sciara del fuoco, イタリア語で「火走り」)という海底まで伸びる深い谷がある。
溶岩を火口周辺に吹き上げる噴火が特徴で、火山学では同様の噴火形式をストロンボリ式噴火と名づけた。夜間でも噴火のために目立ち、「地中海の灯台」とも呼ばれている。通年途切れなく活動している。そのため、噴火を間近で見ようと訪れる観光客も多い。だが、約10年に一度の割合で、ブルカノ式噴火を起こしたり溶岩流を噴出することがある。
2013年1月14日の噴火では溶岩流が発生した[1]。
2019年7月-8月の噴火では、数回のブルカノ式噴火を起こし大きな噴煙を上げて火砕流[2]も起こしている。7月4日の噴火ではハイキング客1人が死亡した[3]。
-
シアーラ・デル・フオーコ谷、2006年
-
シアーラ・デル・フオーコ谷、2007年
-
溶岩流が海に達し水蒸気を上げている、2007年
-
同島のストロンボリ式噴火(数秒の露出)
-
同島のストロンボリ式噴火
-
1990年
-
2013年
創作物
ジュール・ヴェルヌは1864年に出版した小説『地底旅行』において地底からの脱出口をストロンボリに設定した。1950年に、この島を舞台にした映画『ストロンボリ』(Stromboli, terra di Dio)がイングリッド・バーグマン主演、ロベルト・ロッセリーニ監督で撮影された。この時二人が滞在した家は現在も保存されている。
関連項目
脚注
- ^ イタリアの火山島ストロンボリが噴火、住民への危険はなし、フランス通信社、2013年1月15日、2013年2月24日閲覧
- ^ イタリアの島で突発的な火山噴火 巨大な噴煙、ボートに迫る火砕流 - CNN.co.jp、2019.08.29版
- ^ 伊ストロンボリ島で噴火 観光客1人死亡 シチリア島沖 - AFPBB News 2019年7月4日版
参考資料
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
ストロンボリ島に関連するカテゴリがあります。