スクールボーイ・Q (英 : ScHoolboy Q 、本名: Quincy Matthew Hanley、1986年 10月26日 - )は、アメリカ合衆国 のラッパーである。ドイツ で生まれ、その後ロサンゼルス へ移住した。Top Dawg Entertainment に所属し、ヒップホップグループ「ブラック・ヒッピー 」のメンバーでもある[ 1] 。
2008年にミックステープ『ScHoolboy Turned Hustla』、2009年に『Gangsta & Soul』をリリース。2011年1月にTDEからデビューアルバム『Setbacks』をリリースする。2012年には、2作目のアルバム『Habits & Contradictions』をリリース。2014年、インタースコープ から3作目となるメジャーデビュー・アルバム『Oxymoron』をリリースし、全米1位を記録する。その後、4作目のアルバム『Blank Face LP』(2016年)、5作目『Crash Talk』(2019年)をリリースしている[ 2] 。
来歴
レッドカーペットでのScHoolboy Q(2012年)
1986年10月26日、スクールボーイQこと、クインシー・マシュー・ハンリー(Quincy Matthew Hanley)はドイツ のヴィースバーデン の軍事基地で生まれた。彼が生まれる前に両親は離婚しており、父親と共に数年間テキサス州 に移り住み、その後カリフォルニア州 に定住する[ 3] 。彼はカリフォルニア州ロサンゼルス の南中央部、フィゲロアとフーバー通りに隣接する51番街で育った。スクールボーイQはストリートギャングに参加し、麻薬の売人となる[ 4] 。また、6歳から21歳までアメリカンフットボール をしていた[ 5] 。
10代の頃から詩を書き始めたが、21歳になるまでは本格的に始めたわけではなかった。2006年に、カーソン を拠点とする独立系レコード・レーベル、トップ・ドーグ・エンターテインメント (Top Dawg Entertainment: TDE)のスタジオでレコーディングを行い、彼らのとコラボレートするようになる。
2008年7月29日、初のミックステープ『Schoolboy Turned Hustla』をG.E.D. Inc.からリリース。2009年にはミックステープ『Gangsta & Soul』をリリース。その後Top Dawg Entertainmentと契約を結び、レーベル仲間のケンドリック・ラマー 、ジェイ・ロック 、アブ・ソウル とBlack Hippy (ブラック・ヒッピー)を結成する。
2011年1月11日、TDEからデビューアルバム『Setbacks』をリリースする。
ScHoolboy Q(2012年)
2012年1月14日、2作目のアルバム『Habits & Contradictions』をリリース。
2012年、Top Dawg EntertainmentがInterscope Records とAftermath Entertainment とのジョイント・ベンチャー契約を締結し、スクールボーイQはメジャーレーベルのアーティストとなった[ 6] 。
2014年2月25日、3作目のアルバム『Oxymoron』をリリースし、Billboard 200 で1位を記録する[ 7] 。アルバムからは楽曲「Collard Greens」「Man of tHe Year」「Studio」「Hell of a NigHt」などが次々とヒットした[ 8] 。第57回グラミー賞 では最優秀ラップ・アルバム賞にノミネート、楽曲「Studio」が最優秀ラップ/サング・コラボレーション賞にノミネートされた。
2016年7月8日、4作目のアルバム『Blank Face LP』をリリースし、Billboard 200で2位を記録する[ 7] 。アルバムからはカニエ・ウェスト をフィーチャリングした楽曲「That Part」がヒットした[ 8] 。第59回グラミー賞 では最優秀ラップ・アルバム賞にノミネート、楽曲「That Part」が最優秀ラップ・パフォーマンス賞にノミネートされた。
2019年4月26日、5作目のアルバム『CrasH Talk』をリリースし、Billboard 200で3位を記録する[ 7] 。
音楽性
SXSW に出演するScHoolboy Q(2014年)
ラップスタイル
スクールボーイQは多才なラップスタイルで知られている。LAウィークリー誌はアルバム『Setbacks』について「彼のラップは、まるでシリーパティー のように母音を伸ばしたり、単語をスラスラ喋ってからダブルタイムに戻ったりすることを得意としている」と指摘している[ 9] 。
影響を受けたアーティスト
スクールボーイQは影響を受けたアーティストとして、Nas 、50 Cent 、Jay-Z 、The Notorious B.I.G .、Kurupt、2Pac を挙げている[ 4] 。いくつかのインタビューでは、50 Centがラップと音楽のキャリアを真剣に始めた最大の理由だと述べており、50 Centは自分の人生を救ったとまで言っている[ 10] 。Complex誌のインタビューで、スクールボーイQはJay-Zからライムスタイルを得たと語っている[ 4] 。また、2012年のインタビューでは「50 Centから多くの攻撃性を得た」と述べ、「彼は基本的に俺のスタイル全体を生み出した」と付け加えている[ 11] 。
人物
ライブでのScHoolboy Q(2014年)
スクールボーイQはTwitter で自身が部分的にホンジュラス 系であることを明かしている[ 12] 。
スクールボーイQは曲のタイトルなど、アルファベットの"H"のみ大文字にするのが恒例となっている。その理由について「HIIIPOWER X HIPPY X HOOVER X HEAVEN & HELL AKA MY LIFE.」とツイートしている[ 13] 。
スクールボーイQは野球チーム「ロサンゼルス・エンゼルス 」とサッカーチーム「サンフランシスコ・フォーティナイナーズ 」のファンである[ 14] [ 15] 。
2ndアルバム『Habits & Contradictions』(2012年)から4thアルバム『Blank Face LP』(2016年)の時期は、よくバケットハット(帽子)を被っておりトレードマークとなっていた[ 16] 。
家族
スクールボーイQには2人の娘がいる。長女のジョイス・"ジョイ"・ハンリーは2009年4月24日に生まれ、次女は2019年1月4日に生まれた[ 17] [ 18] 。 スクールボーイQはいくつかの曲でジョイについて言及しており、ミュージック・ビデオのいくつかにも出演している[ 4] [ 19] 。
事件
2007年、当時は公表されなかった犯罪で逮捕され、6ヶ月間刑務所に入れられそのうちの半分は自宅軟禁で終わったと語っている[ 3] 。Reddit で家宅侵入に関連していたことを明らかにしたが、詳細は明かさなかった[ 20] 。インタビューで10代の頃にどんな仕事をしていたかと聞かれた時、ドラッグの販売、窃盗、ギャング・バンギングをしていたと認めている[ 4] 。
2011年3月、サウス・バイ・サウスウエスト音楽祭 で逮捕され、マリファナ所持のために勾留された[ 21] 。
確執
2009年、スクールボーイQはラッパーの40 Gloccと短期間ライバル関係にあった。スクールボーイQは「Ezell (40 Glocc Killa) 」と題したディス・トラックをリリースし、40 Gloccのギャング・バンギングに疑問を呈している。スクールボーイQは後にビデオインタビューで「彼はブラザーのタイガ について嘘の発言をしたんだ。彼はたくさんの嘘や噂、子供じみたことをしていて本当に気に入らなかったし、このピエロに見下されていると感じていたから、吐き出さなければならなかった」と語った。スクールボーイQは「もう終わったんだ、俺は自分がするべきことをやった、俺は自分が言うべきことを言った、そしてもう彼のことをディスることはしない」と述べている[ 22] 。
ディスコグラフィ
アルバム
年
タイトル
アルバム詳細
チャート最高位
認定
US [ 23]
AUS [ 24]
CAN[ 25]
FRA [ 26]
GER [ 27]
NZ [ 28]
SWI [ 29]
UK [ 30]
2011
Setbacks
100
—
—
—
—
—
—
—
2012
Habits & Contradictions
発売日: 2012年1月14日
レーベル: Top Dawg
フォーマット: digital download
全米売上: 4.8万枚[ 31]
111
—
—
—
—
—
—
—
2014
Oxymoron
発売日: 2014年2月25日
レーベル: Top Dawg, Interscope
フォーマット: CD , LP , digital download
全米売上: 41.5万枚[ 32]
1
11
1
123
59
7
24
23
2016
Blank Face LP
発売日: 2016年7月8日
レーベル: Top Dawg, Interscope
フォーマット: CD, digital download
全米売上: 50万枚[ 33]
2
9
2
87
—
5
14
36
2019
Crash Talk
発売日: 2019年4月26日
レーベル: Top Dawg, Interscope
フォーマット: CD, digital download
全米売上: 8.1万枚[ 34]
3
11
5
50
47
6
17
27
"—"は未発売またはチャート圏外を意味する。
受賞歴
脚注
^ スクールボーイ・Q - bmr.jp
^ August 1, Tosten BurksPublished:. “Schoolboy Q's Album Is Almost Done - XXL ” (英語). XXL Mag . 2020年11月1日 閲覧。
^ a b “Schoolboy Q's Questions and Answers - Page 1 - Music - Los Angeles - LA Weekly ”. web.archive.org (2012年2月5日). 2020年11月1日 閲覧。
^ a b c d e “Who Is Schoolboy Q? ” (英語). Complex . 2020年11月1日 閲覧。
^ (英語) ScHoolboy Q – JoHn Muir , https://genius.com/Schoolboy-q-john-muir-lyrics 2020年11月1日 閲覧。
^ “News - Entertainment, Music, Movies, Celebrity ” (英語). MTV News . 2020年11月1日 閲覧。
^ a b c “ScHoolboy Q ”. Billboard . 2020年11月1日 閲覧。
^ a b “ScHoolboy Q ”. Billboard . 2020年11月1日 閲覧。
^ “Schoolboy Q's Questions and Answers ”. 2020年11月1日 閲覧。
^ Shake. “ScHoolboy Q On 50 Cent’s Influence (Video) ” (英語). 2DOPEBOYZ . 2020年11月1日 閲覧。
^ “Schoolboy Q talks with the Morning Riot - YouTube ”. www.youtube.com . 2020年11月1日 閲覧。
^ “Central American Twitter Tells ScHoolboy Q He Looks Honduran, Turns Out He is ” (英語). Remezcla (2019年10月9日). 2020年11月1日 閲覧。
^ “https://twitter.com/schoolboyq/statuses/119574827412619264 ”. Twitter . 2020年11月1日 閲覧。
^ “Schoolboy Q Learns to Respect Spicy Wings | Hot Ones - YouTube ”. www.youtube.com . 2020年11月1日 閲覧。
^ “https://twitter.com/schoolboyq/status/1190109891446206465 ”. Twitter . 2020年11月1日 閲覧。
^ “Buckets of Reign” (英語). ASOS . https://www.asos.com/men/fashion-feed/2014_05_26-mon/schoolboy-q-bucket-hat-style/ 2020年11月1日 閲覧。
^ “ScHoolboy QさんのInstagramプロフィール投稿:「My baby turned 10 today!!!! 😁😁 befo every album I get bad news it seems like... but I ain’t gon let it spoil my nigHt braH #CRASHTALK JOYCE…」 ”. Instagram . 2020年11月1日 閲覧。
^ “ScHoolboy Q "CrasH Talk" A Conversation WitH Lenard 'CTHaGod' McKelvey - YouTube ”. www.youtube.com . 2020年11月1日 閲覧。
^ https://hiphopdx.com , HipHopDX- (2013年6月17日). “ScHoolboy Q Says Kendrick Lamar Inspires Him, Talks Parenting & "Oxymoron" ”. HipHopDX . 2020年11月1日 閲覧。
^ “r/IAmA - Comment by u/[deleted on ”I am ScHoolboy Q AMA! #Oxymoron Puffy”]” (英語). reddit . 2020年11月1日 閲覧。
^ https://hiphopdx.com , HipHopDX- (2011年10月26日). “Schoolboy Q Waiting For ASAP Rocky Collab To Drop, Speaks On SXSW Arrest ”. HipHopDX . 2020年11月1日 閲覧。
^ “Street TV Volume 1 - SchoolBoy Q Interview - YouTube ”. www.youtube.com . 2020年11月1日 閲覧。
^ “Schoolboy Chart History: Billboard 200 ”. Billboard . March 12, 2014 閲覧。
^ “Discography Schoolboy Q ”. March 21, 2014 閲覧。
^ “Schoolboy Chart History: Canadian Albums ”. Billboard . March 21, 2014 閲覧。
^ “Discographie Schoolboy Q ”. lescharts.com . Hung Medien. March 12, 2014 閲覧。
^ “Discographie Schoolboy Q ”. GfK Entertainment. May 2, 2019 閲覧。
^ “Discography Schoolboy Q ”. March 21, 2014 閲覧。
^ “Discographie Schoolboy Q ” (select "Charts" tab). swisscharts.com . Hung Medien. March 5, 2014 閲覧。
^ “Discography Schoolboy Q ”. February 17, 2018 閲覧。
^ a b Ramirez, Rauly (February 26, 2014). “ScHoolboy Q Heading for No. 1 on Billboard 200 Albums Chart ”. Billboard . Prometheus Global Media. February 26, 2014 閲覧。
^ Christman, Ed (January 9, 2015). “Music in 2014: Taylor Takes the Year, Republic Records on Top, Streaming to the Rescue ”. Billboard . Prometheus Global Media. January 10, 2015 閲覧。
^ a b c “Gold & Platinum by Schoolboy Q - RIAA ”. Recording Industry Association of America (June 16, 2016). July 10, 2016 閲覧。
^ Caulfield, Keith (May 6, 2019). “P!nk's 'Hurts 2B Human' Album Debuts at No. 1 on Billboard 200 Chart ”. Billboard . May 7, 2019 閲覧。
外部リンク