シタデル・ラフェリエール(Citadelle Laferrière)は、ハイチ北部のラ・フェリエール山の頂に築かれた巨大な要塞である。シタデル・アンリ・クリストフ(Citadelle Henri Christophe)、あるいは単に「シタデル」とも呼ばれる。この巨大石造建築物は、独立してまもないハイチを旧宗主国であるフランスの侵攻から守るための要塞化の一環として、20万人もの奴隷労働者を使い、1805年から1817年に建てられた。
シタデルには様々な大きさからなる365門の大砲が備え付けられていた。要塞の壁の基部には、当時蓄えられていた膨大な数の砲弾が、今も山積みになっている。要塞の壁それ自体は山頂から50 m ほど聳えており、砲弾の山も含めた全体の面積は約1 ha である。大きな礎石群は山頂の石に直接置かれ、モルタルに生石灰、糖蜜、ウシ・ヤギの血などを混ぜたもので固められた。
シタデルはハイチでも最も人気のある観光スポットの一つである。要塞を訪れるときには、ミローの町でガイドを雇う。観光客は入場料を払って中にはいるが、上り道であることからラバを借りることが奨励されている。10 km ほどの旅程の最初の部分については、四輪駆動車が使えることもあるが、土砂崩れや工事がしばしばあり、当てには出来ない。