「ザ・ミラクル」(The Miracle)は、イギリスのロックバンド、クイーンの楽曲である。作曲はフレディ・マーキュリーとジョン・ディーコン(クレジットは「クイーン」[1])。アルバム『ザ・ミラクル』のリリースから半年後の1989年11月下旬、アルバムからの最後のシングルとしてリリースされたタイトルチューン。EMI発売のクイーンのアルバムとしては、五枚のシングルがカットされたのは初めてのことであった。
解説
フレディとジョンがコードを書きテーマを決定した後、フレディがメロディを書き始めた。歌詞や音楽アイディアは4人それぞれから集められたが、アルバム収録時の取り決めにより曲は実際の作曲者に関わらず、クレジットはクイーンとなっている。フレディとブライアンはこの曲をお気に入りの1つとしているが、ロジャーはグレイテスト・ビデオ・ヒッツIIのオーディオコメントで「この曲は気に入っていないが、『信じられないほど複雑なトラック』としてこの曲を尊重する」と述べている。
この曲では、『神の創造した大小のもの(all god's creations great and small)』として、ゴールデンゲートブリッジやタージ・マハルのような著名な建造物、他にバベルの塔やカインとアベルといった聖書の記述、キャプテン・クック、ジミ・ヘンドリックスのような有名人を挙げており、この曲では全てが「奇跡 (miracle)」とされている。
ジャケット
シングルのジャケットには、ホログラムを逆にしたアルバムのジャケットが使われている。シングルのB面には、アルバム『世界に捧ぐ』からの『マイ・メランコリー・ブルース』と共に『ストーン・コールド・クレイジー』のライヴバージョンが収録されている。
プロモーションビデオ
楽曲のミュージックビデオは、4人の少年(ブライアン役にポール・ハワード、ジョン役にジェームズ・カーリー、ロジャー役にアダム・グラディシュ、フレディ役にロス・マッコール)がクイーンに扮してステージでパフォーマンスするという内容である(ビデオの終盤には本物のクイーンが現れる)。ビデオでフレディを演じたマッコールは、70年代(ロングヘア、ハーレキンレオタード)、80年代初期(濃い口ひげ、革ジャケット、パンツ)、80年代中期のライヴ・エイド、86年マジック・ツアー(黄色の革ジャケット、パンツ、アディダスのスニーカー)と、フレディの4つの衣装を着ている。ロジャーによれば、フレディはビデオでの演技が上手かった少年たちについて「(当時もうツアーをしないと宣言していた)自分たちに代わって少年らをツアーに送ろう」と冗談を言ったという。ロックマガジンのNMEの2011年版によれば、ブライアンを演じた少年(ハワード)は、現在ロンドンのロックバンド、シルバリーのフロントマンであるという。
シングル収録曲
7インチ盤
- ザ・ミラクル - The Miracle (Queen)
- ストーン・コールド・クレイジー (ライヴ・アット・ザ・レインボー‘74) - Stone Cold Crazy (Live At The Rainbow, London '74) (Queen)
12インチ盤
- ザ・ミラクル - The Miracle (Queen)
- ストーン・コールド・クレイジー (ライヴ・アット・ザ・レインボー・ロンドン '74) - Stone Cold Crazy (Live At The Rainbow, London '74) (Queen)
- マイ・メランコリー・ブルース (ライヴ・アット・ヒューストン・テキサス '77) - My Melancholy Blues (Live At Houston, Texas '77) (Freddie Mercury)
担当
チャート
チャート (1989年)
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ピーク
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週間
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オランダ[2]
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16
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9
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ドイツ[3]
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78
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4
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アイルランド[4]
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23
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1
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イギリス[5]
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21
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5
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出典
外部リンク