ゴーラー線 (英語 :Gawler (Central) railway line)はオーストラリア 南オーストラリア州 アデレード市 (英語版 ) のアデレード駅 から同州ゴーラー町 (英語版 ) のゴーラー中央駅 までを結ぶアデレード・メトロ の鉄道路線である。通勤鉄道としてアデレード 中心街からソールズベリー市 を通り、郊外のゴーラー (英語版 ) を繋ぐ。ターミナル駅 のアデレード駅を除き、ゴーラー線は他路線との乗り換え駅が一駅もない路線で、これはアデレード都市圏の中では唯一である。
歴史
ゴーラー にあるターミナル駅 のゴーラー中央駅
2011年 12月 に改装される前のエリザベス駅
一日の乗降人員上位三位に入るソールズベリー駅 (2006年
2006年に開業したモーソンレイクス駅
ソールズベリー市 のリトルパラ川 (英語版 ) にかかる鉄道橋 。1889年 以前に建設されて以来、現在も使用されている[ 2] 。
1857年 にアデレード駅 ・ゴーラー駅 間が開通した[ 3] [ 4] 。銅鉱山の発見と銅鉱石の生産量が高まったことにより1860年 にはカプンダ (英語版 ) (現在のモーガン線 (英語版 ) )まで延線し、後にアンガストン (英語版 ) 、トルロー (英語版 ) 、モーガン (英語版 ) 、ロバーツタウン (英語版 ) 、ピーターバラ (英語版 ) 、スポルディング (英語版 ) 、グラッドストウン (英語版 ) まで開業した。アデレード駅からソールズベリー駅 までは複線 の広軌鉄道 として運用されており、標準軌 単線のアデレード・ポートオーガスタ線 (英語版 ) と併走する。ソールズベリーの北部は標準軌の線路がゴーラーに向けて北西に向かい、ソールズベリーからゴーラー駅 までは複線の広軌が2本確保されており、ゴーラーの北側には単線の広軌線路が運用されている。
2006年 には高級住宅街であるモーソンレイクス にモーソンレイクス駅 が開業し、2008年 に全線電化 に向けてゴーラー線の改装工事が南オーストラリア州政府の支援の下開始された[ 5] 。またそれにともない道床 や枕木 、軌道 が取り替えられた。
運行形態
ゴーラー線は普通列車と急行列車で運行されており、どちらもアデレード駅 -ゴーラー中央駅 の全区間で運行している。急行列車はハイフリークエンシー駅 (Hi Frequency Stations )と呼ばれる駅のみ停車する。ハイフリークエンシー駅に指定されているのはゴーラー中央駅 、ゴーラー駅 、スミスフィールド駅 、エリザベス駅 、ソールズベリー駅 、モーソンレイクス駅 、アデレード駅 の7駅であり、急行列車は平日午前7時30分から午後6時30分の間15分おきに運行されている[ 6] 。
ゴーラー線の営業キロ は延べ42.2キロメートル (26.2 mi)であり、アデレードの鉄道 (英語版 ) の中では最長である。軌道の幅は他のアデレードの鉄道路線と同じく、広軌 (1,600 mm (5 ft 3 in) )が採用されている。
駅一覧
沿線概況
以下にゴーラー線の線路および沿線の概況について記す[ 8] 。
始発駅のアデレード駅 はアデレードカジノ (英語版 ) とインターコンチネンタル アデレード、アデレード国際会議場 (英語版 ) と直結した地下駅 (島式ホーム )である。アデレード駅を出ると左手に王立アデレード病院 (英語版 ) が見え、シーフォード線 (英語版 ) とアデレード・ウォズリー線 (英語版 ) と分かれる。その後カーブを右にカーブし北へと進路を変え、トレンズ川 (カッラウィッラ・パーリ)にかかる橋を渡る。
川を渡るとすぐにゴーラー線とアウターハーバー線 (英語版 ) 、グレンジ線 (英語版 ) の路線を二手に分かれる。右に分かれた後北アデレード駅 へ至る。北アデレード駅を出ると都市環状線 (英語版 ) の高架下をくぐり抜けオヴィンハム駅 に到着する。その後住宅地を通り抜けダッドリー公園 、イズリントン駅 に向かう。イズリントン駅とキルバーン駅 の間、右手にコストコ アデレード店が見える。
キルバーン駅を出発すると緩やかに北東へと進路を変え、グランドジャンクション道路 (英語版 ) をくぐり抜けた後ドライクリーク・ポートアデレード線 (英語版 ) と分岐する。その後ドライクリーク駅 を出ると右手にモバラ公園 (Mobara Park)が見え高級住宅街にあるモーソンレイクス駅 へと至る。
モーソンレイクス駅からは各駅間の距離が短く、4キロ内に4駅 (グリーンフィールズ駅 。パラフィールドガーデンズ駅 、パラフィールド駅 、チッダ駅 )存在する。この4駅の間、右手にはパラフィールド空港 (英語版 ) が眺めることができる。
その後ソールズベリー駅 、ヌールッタ駅 へと抜け左手に草原、右手に住宅地を眺めながら南エリザベス駅 、エリザベス駅 へ到着する。エリザベス駅はエリザベスシティーセンターというショッピングセンター の最寄り駅である。
ウォーマ駅 からムノーパラ駅 まで住宅地を突っ切るルートで走行する。
ムノーパラ駅からエヴァンストン駅 までは農地が広がり、そこから1.5キロ進むとゴーラー駅 に到着する。南パラ川 (英語版 ) を渡りしばらくすると終点のゴーラー中央駅 に到着する。
運行形態
旅客列車
アデレード・メトロの2000型列車
ゴーラー線の全路線はアデレード・メトロ によって運営されている。2008年 4月28日 、運行の能率を上げるために新しい時刻表が改正され、高頻度駅 (Hi-Frequency station )制度が導入された[ 9] 。ゴーラー線の多くの旅客列車がゴーラー駅やゴーラー中央駅が終始着点であるのに対し、朝ラッシュ時 に運行されるモーニングピーク急行はソールズベリー駅が始発駅となる[ 9] 。
快速
高頻度駅に該当するのはイズリントン駅 、モーソンレイクス駅 、パラフィールド駅 、ソールズベリー駅 、エリザベス駅 、スミスフィールド駅 、タンベリン駅 、ゴーラー駅 であり、他の駅では30分おきに列車が停車するのに対し、高頻度駅ではラッシュアワー時に15分おきに列車が停車する[ 9] 。
アデレード駅 -ドライクリーク駅 間において、休日は30分ごとに3000/3100型 (英語版 ) の特急列車が運行され、イヴニング/ナイト列車は1時間に1本、北アデレード駅 を除き全ての鉄道駅に停車する[ 9] 。2008年 4月 までゴーラー線内では殆どの列車に3000型が使用されていたが、時刻表が改正されたことにより2000型 (英語版 ) がとりわけラッシュ時に頻繁に運用されるようになった。2000型は2015年 8月 に廃止された[ 10] 。
貨物列車
オーストラリア鉄道軌道公社 (英語版 ) のアデレード・ポートオーガスタ線 (英語版 ) (標準軌 )が、アデレード・ソールズベリー間の広軌 線路と並行して走っており、この貨物輸送は今でもアデレードの輸送機関にとって主要な要素となっている。
2014年 6月 までペンライスストーン線 (英語版 ) の貨物列車がゴーラー線の軌道上を運行していたが、2020年 現在運行されてない[ 11] 。
出典
外部リンク