ゴキブリゾロゾロ(ZOROZORO RoachTrap)は、かつて大正製薬(現在の大正製薬ホールディングス、後に白元、現在の白元アース)が製造販売していた、紙製ゴキブリ捕獲器の商品名である。製造・販売を白元へ譲渡後も商標は大正製薬が保有していた。
概要
大正製薬は粘着シート式のゴキブリ捕獲器「ロートラップ」を発売していたが、1972年(昭和47年)、容器を紙製に変更した「ハイローチ」を発売した。これは従来、樹脂製のケースの天面に粘着シートをセットする方式であった捕獲器を、ゴキブリがいっぱいになった粘着シートを、取替えることなくケースごと捨てられるように紙製に変更したものである。1973年(昭和48年)に、大塚グループのアース製薬から同じ紙製ゴキブリ捕獲器の「ごきぶりホイホイ」が上市されると、粘着式ゴキブリ捕獲器の一大ブームが起こり、製薬メーカーや殺虫剤メーカーが次々と類似品の発売に乗り出した。1974年(昭和49年)に「ローキャッチ」に名称変更、さらに1976年(昭和51年)には「ゴキブリゾロゾロ」と改称。その後シートに直接「えさ」をしみ込ませた「ワンタッチ」タイプや、狭い場所での出し入れに便利な「とれとれ棒」つきなどの改良がなされた。
大正製薬は2000年(平成12年)に捕・殺虫剤事業から撤退したと同時に、製造販売を白元に譲渡。しかし2014年(平成26年)5月に白元が民事再生法を申請し、事業をアース製薬の子会社である白元アースへ譲渡したのに伴い、同年8月に製造が終了。アース製薬グループにおけるゴキブリ捕獲器は「ごきぶりホイホイ」へ一本化されることになり、以後、本製品は在庫のみの販売となった[1][2]。なお、白元本体も2016年(平成28年)9月に債務処理が完了し、法人格が消滅した[3]。
製品の歴史
- 1971年 - 「新ゴキブリワイパアゾル」の姉妹品として、油虫とり器「ロートラップ」発売。樹脂製ケースにえさと粘着シートをセットし、誘引されたゴキブリを天面の粘着シートで捕獲するものであった。
- 1972年 - 「ゴキブリゾロゾロ」の原型となる、紙製ゴキブリ捕獲器「ハイローチ」発売。
- 1974年 - 「ローキャッチ」に名称変更。
- 1976年1月 - 市場へのインパクトを狙い「ゴキブリゾロゾロ」に名称変更し、テレビCMの放送開始。キャッチコピーの「バカとれ!」は当時の流行語に。
- 1981年3月 - ゴキブリ捕獲器で業界2位、シェア25%を占める(1位はアース製薬で40%)[4]。
- 1982年 - 「大正ゴキブリゾロゾロ<ワンタッチ>」発売。シートに「えさ」をしみ込ませた。
- 1983年 - 狭いすき間での出し入れに便利な「とれとれ棒」を採用。
- 1987年 - レストランやビル、マンションに多いチャバネゴキブリの捕獲に適した「大正ゴキゾロミニ」発売。
- 1988年 - 「ゴキブリニューゾロゾロ」発売。粘着力が向上し、ケースのデザインを一新。
- 1995年 - パワーアップタイプ「ゴキブリゾロゾロ」発売。粘着力と誘引効果が一段と向上。
- 1999年 - 「ワイパアゴキブリゾロゾロ」発売。ケースをフローリングに合う形状とデザインに変更。
- 2000年 - 大正製薬が殺虫剤事業から事実上撤退。同社の殺虫剤ブランドは期限付で白元ほか5社に有償貸与。
- 2000年 - 白元から「ワイパアゴキブリゾロゾロ」が発売される。
- 2014年 - 白元の民事再生法申請並びに白元アースへの事業譲渡により製造終了。
商品ラインナップ
- 大正製薬時代(1972年-2000年)
- ロートラップ
- ハイローチ
- ローキャッチ
- ゴキブリゾロゾロ<ローキャッチ>
- 大正ゴキブリゾロゾロ
- 大正ゴキブリゾロゾロ<ワンタッチ>
- 大正ゴキゾロミニ
- ゴキブリニューゾロゾロ
- ゴキブリゾロゾロ
- ワイパアゴキブリゾロゾロ
- 白元時代(2000年-2014年)
- 白元ゴキブリゾロゾロ
- 白元ゴキブリゾロゾロ床暖
- 白元ゴキとりフェロモン スキマジック
- 派生商品として、ネズミ捕獲器「白元ネズミゾロゾロ」やハエ捕獲器「白元ハエゾロゾロ ハエとりフェロモン」も発売されていた。
歴代広告タレント(全て大正製薬時代)
脚注
関連項目
外部リンク