コラディアコラディア(Coradia)はアルストムグループのアルストム・トランスポール社が展開する動力分散方式の車両(電車・気動車)のブランドである。 概要電車・気動車の標準規格として登場。車両によっては低床車両にも対応している。 コラディアA TERコラディアA TER(Coradia A TER)は、ドイツ鉄道とフランス国鉄の協力の一環で、ドイツのリンケ=ホフマンと合同で1996年に開発した単行気動車。 フランス国鉄やドイツ鉄道に納入された他、2000年から2005年までルクセンブルク国鉄でも2100形として使用されていたが、2005年にフランス国鉄に売却されX73500形に編入された。
コラディア1000コラディア1000(Coradia 1000)は、イギリス向けの高速気動車。ウェールズで運用される最高速度160km/hの175形と、最高速度200km/hの高速列車用に180形が導入されている。
コラディア・ジュニパーコラディア・ジュニパー(Coradia Juniper)は、イギリス向けの近郊用電車。架線区間のほか第三軌条にも対応している。 334形、458形が導入されている他、2012年までガトウィック・エクスプレス向けの460形が運行されていたが、現在は改造の上458形に編入されている。
コラディア・ストリームおよびコラディア・マクス→一階建て電車については「コラディア・ストリーム」を、二階建て電車については「コラディア・マクス」を参照
コラディア・ストリーム(Coradia Stream)はヨーロッパ向けの低床型電車で、2021年現在、オランダでインターシティ次世代列車(Intercity Next Generation)が、イタリアでETR103形および104形普通列車が運用されている[1]。ルクセンブルク国鉄は2018年12月に二階建て電車を既に注文して、車両は2021年12月より供給される予定である[2]。二階建て電車の商品名は最初にコラディア・ストリームHCであったが、2024年以降コラディア・マクス(Coradia Max)に変更された[3]。
コラディア・デュプレックス
コラディア・デュプレックス(Coradia Duplex)は、2004年から製造された2階建て車両。最高速度は130km/h~200km/hに設定可能で、最大5両編成、着席定員576人まで対応する事ができる。 フランス国鉄(SNCF)、ルクセンブルク国鉄(CFL)の他に、スウェーデン鉄道(SJ AB)向けにX40形電車として納入されている。
コラディア・リント→詳細は「コラディア・リント」を参照
コラディア・リント(Coradia LINT)は、ドイツのリンケ=ホフマン(LHB)社が吸収したアルストムが継承し、アルストム・LHB社名義で1999年から展開している。「LINT」(リント)という名称はドイツ語の "Leichter Innovativer Nahverkehrstriebwagen" (「軽快で革新的な鉄道車両」の意)に由来する。ディーゼルエンジンはMTUフリードリヒスハーフェン製V型6気筒、駆動装置はフォイトかZFの変速機を搭載する。
コラディア・リレックス
→詳細は「コラディア・リレックス」を参照
コラディア・リレックス(Coradia LIREX)はモジュール化された低床車両シリーズである。試作車はドイツ鉄道(DB)との共同開発で2000年に製造された電気式気動車で、1軸車輪による100%低床化や、フライホイール・バッテリーの搭載によるハイブリッド化がなされており、ドイツ鉄道618形気動車として納入され、営業運転も行っている。LIREXという名称は英語の "Light Innovative Regional Express"(軽くて革新的な快速列車の意)に由来する。なお、リレックスのシリーズ名を使用した量産型車両は存在しないが、コラディア・ノルディック、コラディア・コンチネンタル、コラディア・ポリバントはリレックスの派生シリーズである。
コラディア・メリディアンコラディア・メリディアン(Coradia Meridian)はイタリア向けの車両。トレニタリアに納入された車両はMinuettoの愛称が付けられている。
コラディア・ノルディック→詳細は「ストールストックホルムス・ロカールトラフィークX60形電車」を参照
コラディア・ノルディック(Coradia Nordic)は前述のCoradia LIREXを基にスウェーデン・ストックホルム近郊で通勤電車を運営するストールストックホルムス・ロカールトラフィーク(SL)社向けに開発された。当初、同社ではボンバルディアのReginaを導入しようとし、実際に借り受けて試験運行してみたが加速性能とドアの幅に不満があったという。2002年に契約が締結。2005年からストールストックホルムス・ロカールトラフィークX60形電車として納入が開始された。派生形式として「X61形」と「X62形」がありいずれもスウェーデン各地の公営交通会社で運用されている。 車両は6両編成(X60)ないし4両編成(X61、X62)で連接台車方式を採用している。 この他にもスウェーデン国内で使われているCoradiaには空港アクセス用にX3、上記の「スウェーデン鉄道X40形電車」がある。
コラディア・コンチネンタル→詳細は「コラディア・コンチネンタル」を参照
コラディア・コンチネンタル(Coradia Continental)は、前述のCoradia LIREXを基に開発された、ドイツなど中欧向けの車両。基本的な構造は上記のNordicと同様だが、丸みを帯びたNordicの車体と異なり直線的な車体になっている。 2008年から製造が開始され、ドイツ鉄道を始めとしたドイツ各地の鉄道事業者に納入されている。また2014年以降に製造される車両は欧州の鉄道設計規格であるEN 15227を採用し、前面にクラッシャブルゾーンを設置したデザインに改められている。
コラディア・ポリバレント→「レジョリス」も参照
コラディア・ポリバレント(Coradia Polyvalent)は、2012年に発表された都市圏向け車両。ヨーロッパ各国の電圧に対応可能な仕様になっているほか、非電化区間でディーゼルエンジンによる自走が可能なバイモード車両仕様も選択可能である。 主な納入先であるフランス国鉄(SNCF)では「レジョリス」(Régiolis)の愛称がつけられている他、2017年以降セネガルのブレーズ・ジャーニュ国際空港への空港連絡鉄道向けにも製造される事が決定している[6]。
コラディア・ライナーコラディア・ライナー(Coradia Liner)は都市圏輸送向けのCoradia Polyvalentとは異なり、長距離のインターシティ向けに製造されている車両。電化区間の他に非電化区間でディーゼルエンジンを使用して走行する事ができるバイモード車両である。 フランス国鉄にB85000形として納入されており、それまでアンテルシテ(Intercités)[7]に用いられていた客車列車を順次置き換えている。
関連項目
脚注
外部リンクInformation related to コラディア |