コックは、食品を食べられるように調理する仕事を職業とする人、料理人、調理人[1]。
日本語の「コック」はオランダ語「kok」からの外来語であり[1]、特に西洋料理、中華料理などの料理人を指して用いることが多い(日本料理店などでは「板前」と呼ぶ)[2]。
コックは、シェフと称されることもあるが、コックが料理する者全員を指す言葉であるのに対し、シェフは本来は料理長を意味し、その指揮下で他のコックたちが働くことになるものであり[3]、仕事場では、これら二つの用語は区別されるべきものであり、自由に入れ替えることはできない。
職業としてのコックは、サルデーニャでは、ヌラーゲ文明(英語版)の時代に成立していたことが、青銅器時代の典型的な彫刻などによって証明されており、また、古代ギリシアのミケーネ文明でも同様で、音節文字である線文字Bによる記述の中で言及がある[4][5]。古代オリンピックの最初のチャンピオンとして名が残されている、紀元前776年の短距離走(スタディオン走)の優勝者エーリスのコロイボスは、コックであったと伝えられている[6]。
伝統的に、コックなどの守護聖人とされるローマのラウレンティウスは、3世紀に鉄格子(グリル)の上で火あぶりにされて殉教したとき「こちら側は焼けた。もしウェルダンにしたいなら、もうひっくり返しなさい」と言ったとされる[7]。
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