コケタンポポ(学名:Solenogyne mikadoi)は、キク科コケタンポポ属の多年草草本[3][5][6][7]。日本の固有種である[3][4][8]。
分類
本種は、コケセンボンギク属 Lagenophora に含められる事も多い[4][9][8][10]
コケセンボンギク属に含める場合の学名は Lagenophora mikadoi (Koidz.) Koidz. ex H.Koyama である[4][9][8]。
ここでは、自生地である日本のレッドリストで採用されている Solenogyne mikadoi を採用した。
なお、コケタンポポ属 Solenogyne は、本種の他に3種が確認されているが、それらは全てオーストラリアに分布している(隔離分布)[6][11]。
特徴
日本の琉球列島固有種[4][8]。鹿児島県の奄美大島[2][5][6]及び徳之島[6]、沖縄県の沖縄島[2][6]及び西表島[2][6]に分布する。個体数は数千個体と推定されている[3]。
小型の多年草で[3][5][6][7]。葉は倒披針状楔形で、羽状に裂けるか、または先端が3裂し、両面共に白色の微毛を持つ、ロゼット状に広がる根生葉である[3][6][7]。花期は7〜9月[3]。頭状花序で、高さ1.5〜3cm程度の花茎1つにつき直径1.5mm程度の、白または淡黄色の数個の管状花をつける[3][6][7]。果実は痩果で、長さ1.5mm程度で無毛である[3][6][7]。
染色体数は2n = 18[4][8]。
生育環境は日当たりの良い渓流の岩上で[4][3][5][6]、葉の複雑な形状からも分かるとおり渓流植物である[3][5][6][注 1]。
自生地の1つは「安波のタナガーグムイの植物群落」(沖縄県国頭村)として国の天然記念物に指定されているが、この植物群落を特徴づける植物として本種があげられている[12][13]。
和名の由来は「苔」のように小さな「タンポポ」に似た植物であるからだと言われている[14]。
保全状況評価
- レッドリスト
- 環境省第4次レッドリスト
- 地方自治体におけるレッドデータブック / レッドリスト
- 天然記念物
生息地が限られていること、個体数が少ないこと、森林の伐採やダム建設等の河川開発による生育環境の改変(水没または乾燥化)により、個体数の減少が懸念されている[3][5][6]。また、人の踏みつけによる影響も確認されている[6]。
脚注
注釈
出典
参考文献
関連項目
外部リンク