ケイリン・ホイットニー(Kaylin Whitney、1998年3月9日 ‐ )は、アメリカ合衆国・フロリダ州クレアモント(英語版)出身で短距離走を専門にしている陸上競技選手。2015年北京世界選手権女子4×100mリレーのアメリカ代表。100mと200mの元ユース世界最高記録保持者[注 1]、100mの元全米高校記録保持者。
経歴
父のデュウェイン・ホイットニー(DuWayne Whitney)はアーカンソー大学で競技していた元陸上競技選手で、1993年全米学生(NCAA)選手権にハードルと走高跳で出場した実績を持つ[1]。
小中学生時代
7歳からトラックで走り始め、8歳だった2006年にはAAUジュニアオリンピック (en) の100mと200と走幅跳で優勝した[2][3]。
12歳の時からデニス・ミッチェル(1992年バルセロナオリンピック男子4×100mリレー金メダリスト)と、その妻であるダム・チェリー(英語版)(2008年北京オリンピック女子100mハードル4位)の指導を受け始めた[1]。14歳だった2012年には全米ジュニアオリンピック (en) (13-14歳の部)の100mを11秒59(+1.2)、200mを23秒41(+0.5)と、ともに1999年大会でサーニャ・リチャーズが樹立した大会記録(11秒61と23秒63)を更新して優勝した[4][5][6]。また、これは全米エイジグループ記録(13-14歳)にもなった[7]。
高校生時代
イースト・リッジ高校 (East Ridge High School) に進学すると、1年生ながら100mと200mの州タイトルを獲得(2013年)。翌年も2年連続で100mと200mの州タイトルを獲得した[6]。
2014年7月の全米ジュニア選手権では、5日の女子100m予選で自己ベスト(11秒27)を更新する11秒17(+0.8)をマークすると、決勝では予選のタイムを更に縮める11秒10(+0.9)のユース世界最高新記録(当時)を樹立。1976年にチャンドラ・チーズボローがマークした11秒13を38年ぶりに更新するとともに、1998年にアンジェラ・ウィリアムズ(英語版)が樹立した11秒11の全米高校記録も16年ぶりに更新した。勢いは止まらず、翌日の女子200m決勝でも22秒49のユース世界最高新記録(当時)を樹立し、1992年にマリオン・ジョーンズがマークした22秒58を22年ぶりに更新した[8][9][10]。
2014年7月の世界ジュニア選手権では、カテゴリーが1つ下のユース選手でありながら女子100mと女子200mに今季ジュニア世界ランク1位(11秒10と22秒49)で出場すると、100mこそ銅メダルに終わったが、200mでは優勝し自身初の世界タイトルを獲得。アンカーを務めた女子4×100mリレーも優勝に貢献し、200mとの大会2冠を達成した[11]。
プロ転向以降
2015年の北京世界選手権、そして2016年のリオデジャネイロオリンピック出場を目指しプロに転向した。17歳の誕生日である2015年3月9日にナイキと契約を結んだことを発表した[12]。
2015年6月の全米選手権 (en) は、女子100mは予選敗退に終わったが、女子200mは準決勝でユース世界最高タイ記録の22秒49(-0.1)をマークして決勝に進出した。迎えた決勝では22秒47(+0.4)のユース世界最高新記録(当時)を樹立したものの表彰台に0秒03届かず、この種目での北京世界選手権アメリカ代表の座を惜しくも逃す4位に終わった[13]。
2015年7月のパンアメリカン競技大会 (en) では、女子200mを22秒65(+1.1)で制し初のシニア国際タイトルを獲得すると、アンカーを務めた女子4×100mリレーは42秒58の大会新記録樹立で優勝に貢献し[14]、ユースの選手ながらシニア主要国際大会で2つの金メダルを獲得した。
2015年8月の北京世界選手権女子4×100mリレーアメリカ代表に選出され[15]、17歳の若さでシニア世界大会を経験することになったが、大会で出番は回ってこなかった。
2016年6-7月の全米オリンピックトライアル (en) は、女子100m・女子200mともに準決勝で敗退し、リオデジャネイロオリンピック出場の夢はかなわなかった[16]。
人物
趣味は釣り[3]、料理など[17]。
自己ベスト
記録欄の( )内の数字は風速(m/s)で、+は追い風を意味する。
種目 |
記録 |
年月日 |
場所 |
備考
|
屋外
|
100m |
11秒10 (+0.9) |
2014年7月5日 |
ユージーン |
元ユース世界最高記録 元全米高校記録
|
11秒01w (+5.4) |
2015年7月9日 |
ローザンヌ |
追い風参考記録
|
200m |
22秒47 (+0.4) |
2015年6月28日 |
ユージーン |
元ユース世界最高記録
|
主要大会成績
備考欄の記録は当時のもの
年
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大会
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場所
|
種目
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結果
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記録
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備考
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2014
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世界ジュニア選手権
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ユージーン
|
100m
|
3位
|
11秒45 (-1.0)
|
|
200m
|
優勝
|
22秒82 (+2.4)
|
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4x100mR
|
優勝
|
43秒46 (4走)
|
|
2015
|
パンアメリカン競技大会 (en)
|
トロント
|
200m
|
優勝
|
22秒65 (+1.1)
|
|
4x100mR
|
優勝
|
42秒58 (4走)
|
大会記録
|
全米タイトル
年
|
大会
|
場所
|
種目
|
優勝記録
|
備考
|
2012
|
全米ジュニアオリンピック
|
ボルチモア
|
100m
|
11秒59 (+1.2)
|
大会記録
|
100m
|
23秒41 (+0.5)
|
大会記録
|
2016
|
全米ジュニア選手権
|
ユージーン
|
100m
|
11秒10 (+0.9)
|
ユース世界最高記録 全米高校記録
|
200m
|
22秒49 (+1.3)
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ユース世界最高記録
|
脚注
注釈
- ^ 現在の名称は「ユース世界最高記録」ではなく「U18世界最高記録」。なお、国際陸上競技連盟はユース(U18)の記録を世界記録と公認していないため、「世界記録」ではなく「世界最高記録」と表記。
出典
外部リンク
記録
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先代 チャンドラ・チーズボロー (11秒13) 1976年6月21日
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女子100m ユース世界最高記録保持者 (11秒10) 2014年7月5日 - 2015年6月20日
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次代 キャンディス・ヒル (10秒98) 2015年6月20日
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先代 マリオン・ジョーンズ (22秒58) 1992年6月28日
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女子200m ユース世界最高記録保持者 (22秒49 - 22秒47) 2014年7月6日 - 2015年7月19日
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次代 キャンディス・ヒル (22秒43) 2015年7月19日
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先代 アンジェラ・ウィリアムズ(英語版) (11秒11) 1998年6月26日
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女子100m 全米高校記録保持者 (11秒10) 2014年7月5日 - 2015年6月20日
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次代 キャンディス・ヒル (10秒98) 2015年6月20日
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