クロロブタノール

クロロブタノール
識別情報
CAS登録番号 57-15-8 チェック
PubChem 5977
ChemSpider 13842993 チェック
UNII HM4YQM8WRC チェック
EC番号 200-317-6
KEGG D01942 チェック
ChEMBL CHEMBL1439973 ×
特性
化学式 C4H7Cl3O
モル質量 177.46 g mol−1
外観 白色固体
匂い メタノール様
融点

95-99 °C, 269 K, -51 °F

沸点

167 °C, 440 K, 333 °F

への溶解度 わずかに可溶
アセトンへの溶解度 可溶
危険性
主な危険性 Xn
NFPA 704
1
2
0
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

クロロブタノール(Chlorobutanol)またはトリクロロ-2-メチル-2-プロパノール(trichloro-2-methyl-2-propanol)は、防腐剤鎮静薬睡眠薬、弱い局所麻酔薬であり、抱水クロラールと似た性質を持つ。抗生物質抗真菌薬としての作用も持つ。通常は0.5%濃度で用いられる、多成分製剤に長期安定性を与えるが、水中では0.05%でも抗生物質活性を維持する。無脊椎動物魚類に対し、麻酔安楽死に用いられる[1][2]。白色で揮発性の固体で、メタノール様臭を持つ。

合成

クロロブタノールの昇華性結晶

1881年にドイツの化学者コンラッド・ウィルゲロットにより初めて合成された。[3]

水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムの存在下で、クロロホルムアセトンを反応させて合成する。昇華または再結晶で精製する[4]

毒性

肝臓に対する強い毒性を持つ。また、皮膚や目に対する刺激性を持つ[5]

単為生殖

ウニの卵からプルテウス幼生までの単為生殖を刺激する効果が証明されている。しかしミナミメダカの卵に対しては、麻酔としてのみ働く[6]

薬理

イソフルランハロタンと関連する作用を持つ麻酔である[7]

出典

  1. ^ W. N. McFarland & G. W. Klontz (1969). “Anesthesia in fishes”. Federation Proceedings 28 (4): 1535-1540. PMID 4894939. 
  2. ^ John E. Cooper (2011). “Anesthesia, analgesia, and euthanasia of invertebrates”. ILAR Journal 52 (2): 196-204. doi:10.1093/ilar.52.2.196. PMID 21709312. 
  3. ^ See:
  4. ^ Chlorobutanol”. Sciencemadness Wiki. 14 August 2020閲覧。
  5. ^ MSDS
  6. ^ Embryologia 1956
  7. ^ Nicholas P. Franks (2006). “Molecular targets underlying general anaesthesia”. British Journal of Pharmacology 147 Suppl 1: S72-S81. doi:10.1038/sj.bjp.0706441. PMC 1760740. PMID 16402123. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1760740/. 

外部リンク