クルクリン (curculin) は味覚修飾物質の1つであり、114アミノ酸残基からなるタンパク質である。1990年に横浜国立大学の栗原良枝らのグループにより発見、単離された[1]。
構造
クルクリン1とクルクリン2というよく似た構造の2種類のタンパク質があり、これらが1つずつ、2ヶ所のジスルフィド結合でつながっている。両者は114アミノ酸残基からなり、12500Daの分子量を持つ。
生理作用
製法
マレーシアなどのゴムの木の下に自生するキンバイザサ科の植物クルクリゴ (Curculigo latifolia) の実から、食塩水または酸性水溶液で抽出し、精製する。
1997年には大腸菌を用いた遺伝子組み換え技術で人工生産することに成功していたが、甘味に関する性質は失われていた。しかし2004年、名古屋市立大学と味の素の研究グループが、甘味を持たせたまま人工生産することに成功した。
脚注
- ^ YYamashita, H., S. Theerasilp, T. Aiuchi, K. Nakaya, Y. Nakamura, and Y. Kurihara. 1990. Purification and complete amino acid sequence of a new type of sweet protein taste-modifying activity, curculin. J. Biol. Chem. 265:15770-15775.