EOS 620 (1987年5月) - ハイアマチュアやプロカメラマンをターゲットに、EOS 650をベースとしてスペックアップを図った機種。シフト付プログラムAE・オートブラケティング・カメラ用としては世界初の有機EL照明付き液晶パネルを搭載。9回までの多重露出機構も追加された。シャッター速度は最高1/4000秒、X=1/250秒にアップした。
EOS 630QD (1989年4月) - EOS 620の後継となる高級機。中央部分測光を搭載、ワンショットAF時では最高約5コマ/秒のフィルム給送速度を誇っていた。これは、1998年にミノルタがα-9を発売するまで、後に発売されるEOS10QD・EOS5QDと並んでカメラ単体の連写速度としては世界一のものであった(ライカ判AF一眼レフカメラにおいて・モータードライブ一体型機を除く)。EOS 620と同様にシフト付プログラムAE・オートブラケティング・有機EL照明付き液晶パネルを装備しているが、シャッターはEOS 650と同じ最高1/2000秒 X=1/125秒のものが採用された。EOS620では省略されていたクオーツデートも搭載された。ブラックとグレーシルバーの2色のカラーバリエーションがある。
EOS RT (1989年10月) - プロカメラマン向けに、AFカメラ特有のシャッタータイムラグを可能な限り減少させることを目的としてEOS 630をベースに開発された。かつてキヤノンが自社初のTTL一眼レフカメラ「ペリックス」に採用していた、半透過型固定ミラーを24年ぶりに採用し(プロ限定の販売であるがnewF-1ハイスピードモーター[1984年]でもペリクルミラーを採用しており、厳密には5年ぶり)、ミラーアップに掛かるロスタイムを完全になくし、レリーズボタン押下により即座に絞り込み・シャッター開とすることで、シャッタータイムラグをマニュアルカメラを遥かに上回る0.008秒に短縮した。あまりに短いタイムラグにユーザーが戸惑うことを想定し、カスタムファンクションでnewF-1と同等の0.04秒にタイムラグを増やす機能を備えている。ペリクルミラー使用のため1/3EVの露光損失があるのはペリックスと同様であるが、ほかの仕様はEOS 630に準じている。