『カルテット! 人生のオペラハウス』(カルテット じんせいのオペラハウス、Quartet)は、2012年のイギリスのコメディ・ドラマ映画である。ダニエル・シュミット監督のドキュメンタリー映画『トスカの接吻(英語版)』(1984年)を原案としたロナルド・ハーウッドの舞台『想い出のカルテット 〜もう一度唄わせて〜(英語版)』が原作であり、ハーウッド自身が脚色し、ダスティン・ホフマンが監督した[3]。ホフマンにとっては監督デビュー作となる。出演はマギー・スミス、トム・コートネイ、ビリー・コノリー、ポーリーン・コリンズらである。ジュゼッペ・ヴェルディの「音楽家のための憩いの家」(英語“Casa di Riposo per Musicisti”)をモデルにしている。
ストーリー
引退した音楽家たちが身を寄せるビーチャム・ハウス(Beecham House)は資金難のため存続の危機にある。若者に対する音楽の普及に心血を注ぐレジー、ボケが始まったシシー(「弱虫」の意味もある)、ホームでも女性を追い回しているウィルフに衝撃が走る。プリマドンナだったジーンが入居してきたのだ。かつてイギリス史上最高と謳われたカルテットを組んでいたが、野心とエゴで皆を傷つけ、別れたままだった。特に9時間だけジーンと結婚していたレジーは彼女の本性を知らないと責任者に詰め寄る。ジーンはレジーに何度も謝罪をする。
それでも、ホームを救うためにヴェルディの生誕記念ガラコンサートで『リゴレット』のカルテット(四重唱)「美しき愛らしい娘よ」(Bella figlia dell’amore)を歌おうと考えて食事に誘うが、ジーンは人前で歌えない状態で激怒。しかし、「老年は弱虫では生きられない」という皆の説得に応じる。
ガラコンが始まり、『椿姫』から「乾杯の歌」、『トスカ』から「歌に生き、愛に生き」、『ミカド』から「学校帰りの三人娘」などが歌われる。レジーは離婚の原因となったジーンの浮気の話を盗み聞きして「違う」という。シシーがボケて帰ろうとするのをジーンがうまく説得。舞台の袖でジーンがウィルフに「倒れたら寄りかかるかも」というと「レジーにしろ、君のことを今も好きだ」という。そして、歌う前にレジーが「結婚しよう」という。
キャスト
※括弧内は日本語吹替
スタッフ
- 監督:ダスティン・ホフマン
- 脚本:ロナルド・ハーウッド
- 原作:ロナルド・ハーウッド 『想い出のカルテット 〜もう一度唄わせて〜』
- 製作:フィノラ・ドワイヤー、スチュアート・マッキントン
- 製作総指揮:ダリオ・ズーター、マルク・シュミットハイニー、クリストフ・ダニエル
- 撮影監督:ジョン・デ・ボーマン
- プロダクションデザイナー:アンドリュー・マッカルパイン
- 編集:バーニー・ピリング
- 衣裳デザイン:オディール・ディックス=ミロー
- 音楽:ダリオ・マリアネッリ
- 日本語字幕:栗原とみ子
- 字幕監修:前島秀国
- 吹替翻訳:小島さやか
公開
2012年9月9日に第37回トロント国際映画祭でプレミア上映された。
批評家の反応
2013年9月27日時点でRotten Tomatoesでは122件のレビューで支持率は80%、平均点は6.6/10となっている[4]。また、Metacriticでは、36件のレビューで平均点は64/100となっている。[5]
参考文献
外部リンク