オリンポス[1]山(オリンポスさん、Olympus Mons[2])は、火星最大の楯状火山。mons[3] としては、太陽系で最大である。ギリシアにも同名の山がある。
概要
周囲の地表から約27,000メートルまで山体が立ち上がっている[4]。これはエベレストの3倍程度に相当する。火星の標高基準面からの高度は25,000メートルあり、裾野の直径は550キロメートル以上もある。斜面の最大傾斜角度は数度しかないが外縁部では高さ5,000m以上の崖が切り立っている。また、山頂のカルデラは長径80km、短径60km、深さ3.2kmもあり富士山がほぼ収まってしまう。これほど巨大化したのは火星ではプレート移動が起こらないため、ホットスポット上に火口が留まり続けたためではないかと考えられている。
惑星探査機が訪れる前の、専ら地上からの望遠鏡による観測に頼っていた時代には、周囲より白く見えることがあることからオリンピア雪原(Nix Olympica[5])と呼ばれていた。 オリンポス山の名前はこれを部分的に引き継いだものである。火星の経緯度で北緯18度、東経226度にある。
長らく死火山だと思われていたが、2004年12月23日、ドイツベルリンのチームが240万年程前に噴火した形跡を発見し、将来の噴火の可能性もあると発表、活火山である可能性が指摘された。火星の火山は数十億年という長い寿命の中で数十万年から数百万年にわたり活動を休止することもあるという。
火星地図
画像
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オリンポス山カルデラ
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オリンポス山周辺の標高図
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オリンポス山周辺の地図
脚注
- ^ 惑星表面の地形名はラテン語でつけられており、ラテン語での発音に近い読みは「オリュンプス」または「オリンプス」となるが、日本語においては語源となったギリシア語にちなんだ名称となっている。
- ^ 前項のとおり、惑星表面の地形名はラテン語を起源としているのでラテン語形をとっているが、生物名のような学名(ラテン語)という訳ではない。各国語での名称は、ラテン文字を使用する言語ではラテン語形の"Olympus Mons"をそのまま取り入れている場合が多いが、スペイン語などでは意訳したものが用いられているようである。
- ^ 惑星表面の山岳地形のこと。天文学辞典では「モンス」と音訳して立項しているが、実際にはこの記事の記事名のように「-山」と翻訳して使われている。
- ^ 後藤和久, 小松吾郎『Google Earthで行く火星旅行』岩波書店、2012年、62頁。ISBN 978-4-00-029596-3。
- ^ Olympica は Olympus の形容詞形である。被修飾語の nix が女性名詞のため、性の一致によって語尾が -a となっている。
関連項目