エンカウンター (HMS Encounter, H10) は、イギリス海軍の駆逐艦。E級。
艦歴
就役
ホーソン・レスリー社で建造。1933年3月15日起工。1934年3月29日進水。同年11月2日就役。同型艦と共に「エンカウンター」は第5駆逐艦戦隊を編成し、本国艦隊に所属した。1939年9月の第二次世界大戦開戦の直前、E級駆逐艦は新造のK級駆逐艦に置き換えられた。
欧州戦線
1940年のドイツ軍によるノルウェー侵攻(ヴェーザー演習作戦)時は、本国艦隊艦艇の護衛に当てられた。それが終わると、「エンカウンター」はジブラルタルへ移された。それから1年以上、たまにイギリス本土とジブラルタル間の船団護衛に従事したほかは地中海で活動した。「エンカウンター」は1940年11月27日のスパルティヴェント岬沖海戦や、1941年2月のジェノヴァ攻撃に参加した。
対日戦
極東で戦争の危機が高まってくると、「エンカウンター」は巡洋戦艦「レパルス」などと共に1941年10月に当時イギリスの植民地支配下にあったシンガポールへ向かい、12月初めに到着した。
戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」と巡洋戦艦「レパルス」が1941年12月10日のマレー沖海戦で日本軍に撃沈された後は、最初はインド洋での船団護衛に従事しそれからアメリカ-イギリス-オランダ-オーストラリア連合部隊(ABDACOM)に加わった。
沈没
「エンカウンター」は1942年(昭和17年)2月下旬にスラバヤ沖海戦に参加。3月1日、スンダ海峡で重巡洋艦「エクセター」、アメリカ駆逐艦「ポープ」と共に日本艦隊によって撃沈された。まず駆逐艦「山風」が「エクセター」の乗組員67名を救助[1]。続いて「エンカウンター」の生存者約240名が駆逐艦「雷」(工藤俊作艦長)に救出され、艦上で救急措置を受けた後にオランダ海軍の病院船「オプテンノール」に引き渡された。
脚注
- ^ #S1703五戦隊日誌(1)p.30『尚山風ヲシテ敵駆(H10)[(註)後日山風ノ捕虜トセシハ「エクセター」乗員ニシテ5S指令ノH10ノ乗員ナラザリシコト判明セリ]ノ乗員67名(内士官6)ヲ捕虜トセシメタリ』
参考文献
- アジア歴史資料センター(公式)(防衛省防衛研究所)
- Ref.C08030043000『昭和17年3月11日~昭和17年5月17日 第5戦隊戦時日誌戦闘詳報(1)』。
- Ref.C08030043100『昭和17年3月11日~昭和17年5月17日 第5戦隊戦時日誌戦闘詳報(2)』。
- M. J. Whitley: Destroyers of World War Two, Arms and Armour Press, London 1988 ISBN 0853689105
関連項目
外部リンク
Chronik Seekrieg 1939-1945